デトロイト観光・e-ガイド (印刷ページ)

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ポートヒューロンとフリント・サギノー

★エジソンとポートヒューロン ★フリントのクロスローズとハックルベリー鉄道 ★サギノーとフランケンムース


典型的な農場の風景

 親指地方では、穏やかにうねる丘陵がどこまでも続いています。土壌が肥沃な農業地帯で、ビート(砂糖大根)やインゲン豆などが盛んに栽培されています。

 一般に親指地方といえばサギノー湾の外側で、サギノー川流域のフリント-トライシティズ(三市)地方とは区別して呼ばれています。

Blue Water Bridge

 親指のつめの真ん中あたりにはサニアック州立歴史公園があり、年代不明ながらインディアンが岩を彫って描いた絵が保存されています。

 親指地方の沿岸を、特に「ブルーウォーター地方」ということもあります。シカゴ-ポートヒューロンを結ぶ急行列車ブルーウォーター号の名前にもなっていますが、元々はポートヒューロンにかかる国境の橋の名前に由来するものです。

=== ≪エジソンとポートヒューロン≫ ===

 橋のたもとには、エジソンが13〜16歳の少年時代に働いていた鉄道の停車場が博物館として残されています。

 エジソンは1847年生まれ。7歳の時に一家はポートヒューロンに越してきました。エジソンは、デトロイトを往復する列車で車内販売をしながら、有蓋車を実験室にして化学実験を繰り返していたそうです。

 ある日、3歳の幼児が列車に轢かれそうになったところを救ったのがきっかけで、父親でデトロイト北方の駅長の助けを得て勉強し、鉄道の電信士になることができました。

Lightship Huron

Fort Gratiot Lighthouse

Fort Gratiot Lighthouse

 エジソンが商業的に成功した最初の発明は1874年の1回線で同時に4件の送受信ができる電信機。各地を転々として10年あまりの歳月は経っていましたが、エジソンの原点はポートヒューロン-デトロイト時代でした。

 その後、エジソンは、ニュージャージー州に研究所を建てて快進撃を続けます。発明が有名すぎて、実業家としても超一流だった事実は意外に見落とされていますが、実はGE(ゼネラル・エレクトリック)を創業した人物です。デトロイトも含め各地で電力事業を起こし、その中に、発電所の技術者として雇われたヘンリー・フォードもいました。

 ヘンリー・フォード博物館(グリーンフィールドビレッジ)にエジソン関連の収集物が多いのは、そのせいです。フォードはエジソンを尊敬し、エジソンも16歳年下のフォードをよき友人として親交したと伝えられています。

 セントクレア川入口のフォートグラシャット灯台はポートヒューロン博物館の施設で、塔頂に上ってヒューロン湖を行き交う船を見て楽しむことができます。今は引退した灯台船ヒューロン号も、市内の河岸に停泊して観光客を迎えています。

 セントクレア川を少し南に下ったセントクレア川湖岸のアルゴナック州立公園は、ピクニックと船の見物に絶好のポイントです。

===≪フリントのクロスローズとハックルベリー鉄道≫===

 フリントはアメ車史上に燦然と輝くGMビュイックの発祥地ですが、ビュイックシティと呼ばれた大工場群も、1999年から徐々に閉鎖して、とうとう全米最大の廃工場地になってしまいました。

 街は寂しい限りですが、郊外のモット湖のほとりに「クロスローズビレッジとハックルベリー鉄道」という楽しいテーマパークがあります。

 ハックルベリー鉄道は、1903年製の蒸気機関車が木製の客車を牽引して、約5qの廃線を往復する観光鉄道です。汽車を下りて、道端のハックルベリーを摘んで戻っても間に合うくらいゆっくり走る鉄道です。

 クロスローズビレッジは、34戸の建物で19世紀のミシガンを再現した歴史村。モット湖には見事な滝があり、ジェネシー・ベル号という外輪式の遊覧船にも乗れます。

=== ≪サギノーとフランケンムース≫ ===

Hoyt Public Library

Castle Museum

Former Saginaw Post Office

 サギノーはサギノー川流域の扇の要で、交易所が開かれたのは1815年ですが、それでも、デトロイトやマキノー島など海峡ポイントを除くと、ミシガンでは最も早くから開けた歴史のある街です。19世紀後半に林業や製塩で栄え、20世紀に馬車メーカーがGMに買収されて発展した経緯は、デトロイト圏の他の都市の歴史とも一部重なるところがあります。おとぎの国にあるような2つの建物は、19世紀末に相次いで建てられました。

 フランケンムースは、サギノーからほんの10q南東にあるドイツ村。村の名は、住民の先祖の出身地ババリア(バイエルン州)北西部のフランコニア地方を表す「フランケン」と、ドイツ語で勇気を意味する「ムット」との合成語ですから、日本語にするなら、差し詰め「ババリア魂」と訳すところでしょう。

 町自体が一つのテーマパークのようなものですから、馬車に乗って見物するのもよし。

 外輪船のババリア・ベル号やモーターボートでサギノー川を遊覧するのもいいでしょう。観光農場やファーマーズマーケットもあります。

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