ノーザンミシガン−上半島・e-ガイド (印刷ページ)

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マキノー海峡

★マキノー島(元)国立公園 ★銘菓マキノー島ファッジ ★ミシリマキノー開拓村 ★砕氷船マキノー号 ★セントイグナス


 マキノー州立歴史公園(複数形)はマキノー島(Mackinac Island)とマキノーシティ(Mackinaw City)にまたがる7つのアトラクション(4つの歴史村・自然公園・美術館・灯台)の集合体です。スペルが微妙に違いますが、発音は全く同じで「マッカノー」…日本では「マキノー」と紹介されているので、表記はそれに従います。

=== ≪マキノー島(元)国立公園≫ ===

マキノー砦歴史村

ダウンタウン歴史村

マキノー美術館

マキノー島州立公園(島の8割)

ミシリマキノー開拓村

オールドマキノーポイント灯台

ミルクリーク歴史発見パーク

Fort Mackinac

 今は州立公園ですが、マキノー島州立公園は、実は1875年にイエローストーンに次ぎ全米で二番目に国立公園に指定された由緒ある公園です。

Arch Rock

 北の隣国カナダとの平和な時代が続き、マキノー砦は使命を終えて1895年に閉鎖。それまで国立公園の管理を任されていた陸軍兵士も撤退することになりました。そこで、ミシガン州が公園を引き取り、全米で初の州立公園となったわけです。当時は国立公園制度も固まっていない時代で、公園の評価が下がりランク落ちしたわけではありません。島の自然には、ミシガンの下半島でも上半島でも見かけない奇景があります。五大湖の成因は複雑ですから、北米各地の奇景と比べても、やはり個性的です。

=== ≪銘菓マキノー島ファッジ≫ ===

Mackinac Island Downtown

 マキノー島は、19世紀半ばに既にリゾート地として名高くなっていました。今は、救急車を除き自動車の乗入禁止。観光客は、徒歩か自転車か馬車で島内を巡ります。

Mackinac Island 

Mackinac Island Fudge

 ダウンタウンには名物のファッジを売るお菓子屋さんが軒を連ねています。「マキノー」はインディアン語で亀。マキノー島は亀(英語なら「タートル」)の形をした島。マキノー島ファッジは、アメリカ人が大好きな「タートル・ファッジ」のご先祖様かもしれません。

* いわゆる「タートル・チーズケーキ」の名前は、1923年にシカゴのお菓子屋さんが、外見が「亀」に似ていることから「タートルズ」と商標登録したキャンディに由来するといわれています。一方、マキノー島ファッジが誕生したのはそれより前の1880年代で、アメリカン・ファッジのスタンダードになりました。

Grand Hotel

Mackinac Bridge

Mackinac Bridge

 りっぱなホテルがたくさんありますが、特に有名なのは1887年に建てられたグランドホテル。アメリカの5人の大統領とロシアのプーチン大統領、エジソンやマーク・トウェインも泊まったのが自慢です。

Shepler's Ferry

 島には空港がありますが、残念ながらチャーター便専用。島に渡るには下半島のマキノーシティか上半島のセントイグナスからフェリー。海峡の灯台めぐりのクルーズも多数あります。

 トラバースシティのチェリーキャピタル空港からマキノーシティは約100マイル(160q)…車で2時間。スーセントマリー空港(カナダ側)からセントイグナスは約35マイル(55q)…国境を越えますが車で30分です。

=== ≪ミシリマキノー開拓村≫ ===

Old MackinacPoint Lighthouse

Old Mackinac Point Lighthouse

Colonial Michilimackinac

Historic Mill Creek Discovery Center

 マキノーシティ側のマキノー州立歴史公園は、マキノー橋のたもとに灯台とミシリマキノー開拓村。ヒューロン湖沿いに約3マイル(5q)行くとミルクリーク歴史発見センターです。

 灯台は、1957年にマキノー橋が完成し船が橋の明かりを頼りに航行できるようになるまで65年間、海峡の安全を守ってきました。

 ミシリマキノー開拓村では、アメリカのほかの歴史村と違い、どこかフランス文化の香りを感じることができるでしょう。海峡にフランス植民地ができたのは1671年…マルケット神父がセントイグナスに伝道所を開いて以来ですが、イギリスは、フレンチ-インディアン戦争(1754〜63年)に勝って領土を手に入れてからも、フランス人の毛皮商人を保護して交易を続けさせました。

 ミルクリーク歴史発見センターは、産業革命前の水車を利用した製材所を取り巻く昔の集落を再現した歴史村です。製材業はミシガンの発展の源の一つでした。森の中には、吊橋や滑車にぶら下がって谷を渡るジップラインなど自然を利用した遊戯施設もあります。

USCGC Mackinaw (WAGB-30)

=== ≪砕氷船マキノー号≫ ===

USCGC Mackinaw

USCGC Mackinaw (WAGB-83)

 マキノーシティ港には、2006年に現役を引退した沿岸警備隊の砕氷船マキノー号が、今は船舶博物館として停泊しています。

 1944年に外洋砕氷船をモデルに建造されたこの船は、船腹が太すぎて当時のウェランド運河(ナイアガラ)を通過することができず、最後まで五大湖で任務を全うしました。

 現在活躍中の二代目マキノー号は、一回り小柄です。

Castle Rock

=== ≪セントイグナス≫ ===

Museum of Ojibwa Culture (St. Ignuce Mission)

 セントイグナス方面から海峡の眺望がいいポイントといえば、マキノー海峡州立公園のほかにキャッスルロックという天然の展望塔があります。湖面からの高さが59メートルの岩…氷河期が終わり、現ヒューロン湖より湖面が高く巨大なアルゴンキン湖があった時代に侵食に耐えて残った海食柱といわれる地形。少し北のラビッツバックやマキノー島のアーチロックやシュガーローフも同様です。

 マルケット神父のお墓があるセントイグナス伝道所には、19世紀に別の場所に建てられた二代目伝道所が移設されてきて、今はオジブア・インディアンの文化博物館になっています。

 オジブアはチペワともいい、カナダ地域も含めスペリオル湖を取り囲むように住んでいたインディアンです。長年の陳情が実り、上半島のオジブアが公式に連邦政府に認定されたのは1975年でした。スーセントマリー地域の人々を中心に活動していたので、スー族と呼ばれますが、西部劇で有名なスー(Seoux)ではありません。インディアンの特権を利用し、いち早く上半島にカジノを開いたのも、オジブア・スー族。一時はデトロイトのクリークタウン・カジノも経営していました。