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2007年3月15日(第9号)

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(寄稿) もうすぐイースター(今年は4月8日)

 キリストの復活を祝うお祭りです

 日本には、先祖のお墓参りをするお彼岸(春分の日と秋分の日)のほかに、戦前から名前を変えて残っている祝日が3日あります。11月3日の文化の日は、明治天皇の誕生日(明治節)。11月23日の勤労感謝の日は、天皇がその年に収穫された新穀や新酒を供えて神の恵みに感謝する新嘗祭(にいなめさい)。

 このあたりまでは日付の由来も合理的なのですが、2月11日の建国記念の日(紀元節)ともなると、明治5年に学者が集まって「日本書紀」を頼りに神武天皇が即位した日を計算し西洋暦に換算した日というのですから、日本の神話や文化・伝統を大事にする日と理解したらいいのでしょう。ちなみに、軍用機で有名な「ゼロ戦」は、皇紀(神武天皇即位後)2600年の昭和15年(1940年)に海軍に採用されたので「零式艦上戦闘機」と名付けられました。

 欧米の祝祭日にも似たような日がいっぱいあります。やはり、どの民族も四季の折々に様々な名目でお祭りをしたいのでしょう。今回は、いつもの寄稿者の方にキリスト教のイースター(復活祭)についてレポートしてもらいました。記事は、ほぼ原稿通りです。

 今年のイースターは4/8です。このイースターの日付は「春分の後の最初の満月の後の日曜日」となっているために、3/22〜4/25の間で毎年変わります。なぜこのような日付になっているかというと、イエス・キリストが磔にされたのが「過ぎ越しの祭り」というユダヤ教で重要な祭りの一つの時期と重なるからです。キリストが磔にされたのがユダヤ暦で春の月である「ニサンの月」の14日、過ぎ越しは日が暮れた15日(満月)から始まります(ユダヤ暦での1日の始まりは日没です)。

 「過ぎ越しの祭り」の起源は今から5000年ほど前、ユダヤ人のエジプト在住時代にさかのぼります。エジプトで奴隷となっていたユダヤ人からモーセを指導者として選び「約束の地」パレスチナへ向かおうとしましたが、ファラオ(王)の妨害を受けます。 これを受けて、神はモーセに命じて10の災いをエジプトに起こしました。その10番目の災いが「人間から家畜まで、エジプト全土すべての初子の命を奪う」と言うものでしたが、神はモーセに「戸口に羊の血で印をつけた家には災いはこない」と言いました。ファラオの子供も含む初子が亡くなる中、命に従ったユダヤ人の家では一人たりとして命が奪われることがありませんでした。映画「十戒」や「プリンス・オブ・エジプト」でこの辺の経緯が描かれてますのでご覧になった方も多いかと思います。(編集者注)「過ぎ越し」とは戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来するそうです。

 初期キリスト教会では過ぎ越しの祭りと同じ時期にイースターを祝っていたようですが、4世紀に「春分の後のニサン月14日の後の日曜日」と教会会議で変更され、中世からはより分かりやすく「春分の後の最初の満月の後の日曜」となりました。なぜ日曜日かというと、キリストが復活したのが日曜日だからです。

 キリストが磔にされたのが金曜日(Good Fridayといいます)であり、土曜日はユダヤ教の安息日(人命救助以外の一切の労働が禁止されている日。ライトやリモコンスイッチのオン・オフさえも禁止されている)だったためにキリストの遺体は墓場に安置されました、そして安息日があけた日曜日にキリストが復活しました。

 教会によってはイースターの前に40日の受難節(四旬節・Lent)が置かれています。この40日に日曜日は含まれません。これはキリストが布教活動を開始する前に40日間断食をしたことにちなんでいます。 また、節制をしたキリストに倣い、キリストの苦しみを分かち合うために会衆に節制を奨励する宗派もあります。例えばカトリックでは金曜日に獣(恒温動物)の肉を食べません。この時期フィッシュサンドイッチの広告がやたらと増えるのはこういった理由です。また、甘味などを節制する人も多く見受けられます。

 また、「節制の前に思いっきり騒ごう!!」ということでリオのカーニバルやマルディ・グラに代表されるカーニバルが全世界のカトリック社会で行われます。 受難節が始まる灰水曜日前日は「Fat Tuesday」といい、祭りも最高潮に達します。でもFat Tuesdayで散々騒いだ人たちが本当に水曜日から節制するかどうかは疑問です。

 イースターではタマゴやウサギが誕生→復活の象徴として使われます。両方とももともとはゲルマン人の風習だったとか。イースターエッグとは、彩色をしたり包装をしたゆで卵です。家の中や庭に隠して子供たちに探させることも行われていました。 最近はこれが転化して卵形のプラスチックの容器にお菓子を入れて探させるようになりました。イースターバニーは、子供たちがイースターエッグを探しているときにたまたま現れた野ウサギが発端で、「ウサギがタマゴを持ってきた?」という勘違いからいつの間にか「イースターエッグの使者」となったようです。商業主義に染まった最近は、よい子に色々なお菓子を持ってきてくれます。 サンタとあまり変わりませんね。

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