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アメリカ生活・e-ニュース

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2007年4月15日(第10号)

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(寄稿)馬券の買い方ご存知ですか?

 ケンタッキー・ダービーは5月の第1土曜日です!!

 「せっかく『Horse Capital of the World』と銘打っているレキシントンにいるのですから、ひとつ競馬について書いてみたいと思います」とおっしゃる方に、寄稿していただきました。記事は、ほぼ原稿通りです。

キーンランド競馬場

 1936年のオープン以来、4月と10月に、それぞれ4週間ずつレースが行われています。4月開催ではダービーの重要なステップレースの一つであるブルーグラスステークスがダービーの3週間前(今年は4/14)に行われます。また、オープン以来大規模な改装を行っていないため、30年代の実在馬をもとにした映画「シービスケット」の撮影に使用されました。 昨年のサラブレッド映画「ドリーマー」の撮影でも使われています。

 今年より外側のダートトラックが「ポリトラック」というプラスチックの廃材などを再利用した新素材に変更されました。これにより、コース・コンディションの維持がしやすくなりまた馬の足への負担も減ることが期待されています。走りやすくなった結果でしょうかレースタイムも早くなり、先週の開催では900mを48.87秒と言う世界記録が出ました。レース開催のないときは1、4、9、11月に競り市が開かれています。とくに9月のイヤリング(1歳馬)セールでは世界中から馬主が集まります。

ケンタッキー・ダービーと三冠馬(トリプル・クラウン)

 毎年5月第1土曜日(今年は5/5)にルイビルのチャーチルダウンズ競馬場で行われる、今年で133回目を迎える由緒あるレース。 ダート2000mで争われます。1930年代より、ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスと合わせて三冠と呼ばれるようになりました。

 その前はウィザーズステークス、ベルモントステークス、ローレンスリアライゼーションステークスが三冠と呼ばれていました。旧三冠はレキシントンの通りの名前にもなったMan O'WarとZevの2頭が達成。現在の三冠馬は1919年のSir Burton(こちらも通りの名前になってます)も含めると11頭が達成。ですが1978年のAffirmed以来は10頭が2冠まで来たたものの、全て3冠目のベルモントで涙をのんでいます。

 ダービーの前には日本の弥生賞やきさらぎ賞などに相当するようなステップレースがあります。主だったところではフロリダダービー、ウッドメモリアル、サンタアニータダービー、そして前述のブルーグラスステークスといったところです。例年はフロリダダービーやウッドメモリアルの勝ち馬がケンタッキーダービーでも勝つことが多く、ブルーグラスステークス勝ち馬は1991年のStrike the Gold以来ダービーでは勝てていません。それどころか去年の勝ち馬Sinister Ministerはダービーでは16着に惨敗しています。ですが、上に書いたとおり今年よりトラックの材質がポリトラックに変わったので、この傾向も変わるかもしれません。

 ダービー当日のチャーチルダウンズは文字通り年に1度の盛り上がりを見せます。 そしてそれを見越して競馬場も商売に走ります……。競馬場への入場料だけで通常$2のところが$40。競馬場の中に入れても16万人収容のスタンドに入るチケットはすでに売り切れ。 チケットブローカーでも$300前後で取引されています。内馬場(Infield)に行けば隙間からですがレースをチラチラ見ることはできます。ここはむしろダービー名物ミントジュレップ(バーボン・オン・ザ・ロックに砂糖とミントを足したもの)を飲みながらワイワイする場所です。競馬場全体で20万人以上の人が詰め掛けるので、おちおち馬券を買っている余裕もありません。

馬券あれこれ

「競馬」と言うからにはやはり馬券が重要な要素になるわけですが、日本とアメリカでは方法や用語が少し違いますので、さらっと紹介したいと思います。

○予想

日本のような競馬新聞はありません。競馬場で予想紙は買えますが、あるのはDaily Racing Formの1種類のみ。馬柱や予想印(◎、○、▲、△など)はなくて有力馬を挙げるのみ(ほぼオッズと連動)で、レースや馬の紹介も雑です。馬体重も表示されません。 入ってくる情報が制限されますので穴馬券を狙うためにパドックに張り付く時間が日本より長くなります。

○馬券の種類

 日本もいろいろな種類の馬券が出てきたので、少し物足りなく感じるかもしれません。

Win=単勝:1着に入る馬を予想します。

Place=2着複勝:2着までに入る馬を1頭予想します。頭数が少ないレースだと販売されない場合もあります。

Show=3着複勝:3着までに入る馬を1頭予想します。頭数が少ないレースだと販売されない場合もあります。

Exacta=2連勝単式(馬単):1着・2着になる馬を順に予想します。

Trifecta=3連勝単式(3連単):1着・2着・3着になる馬を順に予想します。

Superfecta=4連勝単式(4連単):1着から4着になる馬を順に予想します。1万倍の配当が出ることもあります。

Pick 3 or 4=3重勝/4重勝:指定された各レースの勝ち馬を予想。日本の中央競馬では1961年を最後に発売されていません。

 1日にG1レースが8つ行われるブリーダーズカップではPick8というのもあります。 ここまで来ると宝くじと変わりません。「枠連」はありません。 射幸心を押さえようとしてた昔の日本で使われていましたが、こちらではその必要は無いようです。

 日本の「馬連」に該当するのは「Quinella」ですが、アメリカでは一般的でなく、また売っている競馬場も非常に限られています。 ですので、Exactaを両方向から買うこと(Exacta Boxといいます)で代用するしかありません。

 購入は$1単位でできます。 Boxの場合には各パターンで$1単位です。Boxは多頭数でも使えます。例えば3連単を5頭ボックスした場合は5x4x3=60パターン買うことになります。 この際の購入金額は$60単位となります。

 馬券を買うときにはタッチパネル式の投票機で買うか、窓口に行って「Race 9, Win Number 10 for $10」といちいち指定しながら買いますが、買う馬券の種類が多いとどちらの方法でもかなり面倒なことになります。そう考えるとJRAのマークシートと自動券売機のシステムは非常によくできていると思います。

○オッズ

 日本とアメリカで大きく違うところです。日本では「3.0倍」というふうに表示されますが、アメリカでは「2-1」と比で表示されます。さらにわかりにくいのですが、このオッズは「勝つ金額」であり、配当金には「賭けた金額」がプラスされて帰ってきます。

 ですから、上の「2-1」の例では1ドル賭けた場合に$2の勝利金額+$1の元金=$3の配当が帰ってきます。日本ではこれを「3.0倍」と呼んでいます。「Even」といえば「1-1」のこと、すなわち2.0倍。 「3-4」となると$1.75倍のオッズになります。

○配当

 今年のブルーグラスSの結果をもとに説明いたします。Win、Place、Showは一括で表示されます。 JRAでも同じですね。

Pgm

Horse

Win

Place

Show

2

Dominican

$6.60

$4.40

$4.00

4

Street Sense

$3.40

$2.60

1

Zanjero

$3.60

  さて1番人気が2着に粘ったこのレースですが、それでもShowに$2.60ついています。「こんなにくれるんだ、アメリカの競馬って簡単に儲けられるんじゃん」と思いたいところですが、実はこれ、「$2に対しての配当」なのです。ですから、このShowの$2.60を日本風の100円当たりの配当に言い換えると「130円」となります。ですが、どれだけ支持されても$2.10は払わなければならないと決められているので、日本のような「元返し(配当100円)」は起こりません。

Wager

Type

Winning Numbers

Payoff

$2

Pick 3

3-8-2 (3 correct) 

$1,041.20

$2

Exacta

2-4

$54.60

$2

Superfecta

2-4-1-6

$892.80

$2

Trifecta

2-4-1

$225.80

   こちらはこのレースで売りに出されたその他の馬券です。 こちらも半分で割ります。そうすると例えば馬単は27.3倍。 さらに半分に割り単純に馬連換算すると13.65倍となり、一見中穴に見える配当も全然大したことがないのがわかります。

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