薄毛が気になる方に…私のとっておきの体験談
外用のミノキシジル系と内服薬のプロペシア
私の父は、33歳の若さで世を去ってしまいましたから、私の髪が薄くなったのが父の遺伝によるものかどうか分かりません。むしろ髪の毛は濃い方で、理髪店に頼んで熱いアイロンで髪の毛を寝かしつけてもらっていたのが悪かったのかもしれませんが、頭頂部に関しては、30歳台に差し掛かる頃から少しずつ薄くなっていたようです。他人事のようですが、頭頂部の景色は自分には見えません。頭を下げて一心不乱に書き物をしている最中に、向かいに座っている同僚が「お前、薄くなったなあ!!
」と言ってくれなかったら、まだまだ気がつかなかったでしょう。
薄毛治療法 |
男性 |
女性 |
ミノキシジル外用 |
◎ |
◎ |
フィナステライド内服 |
◎ |
×(有害) |
医薬部外品・化粧品 |
△(効果が判然としない) |
自毛植毛 |
○ |
人工植毛 |
×(有害) |
薄毛に悩む皆さんは既にご存知だと思いますが、日本皮膚科学会が、今年の4月に「男性型脱毛症診療ガイドライン」を発表しました。医療関係者向けの大論文ですが、結論だけまとめると、右の表のようになります。
ところで、◎の評価を受けているミノキシジルとフィナステライドは、二つとも、これまで私が実践してきた薄毛対策です。ガイドラインの中では、実際に市販されている薬品の商品名などが明らかにされていないので、私が、体験談を交えてご説明いたしましょう。
(左)Rogaineの後発薬
(右)Propecia
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ミノキシジル(Minoxidil)は、もとは血圧降下剤(内服薬)として開発されましたが、そのうちに体毛が濃くなる「副作用」が見つかって本業をクビになり、一転して発毛促進剤として成功した数奇な運命の持ち主です。1988年にロゲインという名前で、処方薬としてデビューしました。
私が北米に二度目の赴任をしたのは1995年。翌年、スーパーの薬局で売られているのに気がついて使い始めました。当時は、1本(1ヶ月分)が30ドルくらいだったでしょうか?でも、効果がすぐに現れたので、安いものです。
ミノキシジルは、全ての薄毛に効果があるわけではありません。たまたま私のように、頭頂部が薄毛のケースが理想的です。
しばらくすると、ロゲインの特許期間が切れ、安い後発薬が出回るようになりました。写真の後発薬は、昔のロゲインと容器や包装までそっくりで、今や1本7ドル前後です。後発薬の中でも、アバコー(Avacor)やミントップ(Mintop)は外見の高級感で勝負していますが、成分を見れば、男性用は一律にミノキシジル
5%と全く同じはずです。
後発薬との競争で儲けが減ってしまったロゲインは、最近は、シェービングフォームのような泡状の製品を売り出して差別化を図っています。効果そのものは、これまでの溶液でも、泡でも、変わりないようですが、ひげそりのついでに、スプレーで泡を一吹き手のひらに乗せて頭に塗りつけるのは実に手軽ですから、長続きして、結果的には、効果が期待できるでしょう。日本では、リアップという名前で、大正製薬から売られています。
昨年、私は、主治医と相談して、フィナステライド(Finasteride)系の内服薬プロペシアを飲むようになりました。この薬にも、前立腺がんの治療という別の用途があり、その場合はプロスカー(Proscar)という別名で呼ばれているそうです。
人によって副作用も出るようで、少し躊躇があったのですが、効果は、ミノキシジル系の外用薬よりも、さらに劇的でした。従来は、頭頂部にミノキシジル系の外用薬ではどうしても回復できない部分が残っていたのですが、そんな所にまで、太い髪の毛が覆うように生えてきています。
日本にいたら、今頃は、すっかり禿げ上がっていたのかもしれません。田舎でストレスの少ない生活を続けてきたせいもありますが、ロゲインやプロペシアのおかげで、平均で10歳くらい若め…50歳代前半に見てくれる方もおられるようです。
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