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2011年1月15日(第55号)

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乳児以外が死亡するケースは少ないようですが

 昨年から全米で百日ぜきの流行が続いています

百日ぜきのせき (ジェニファー・ロペス解説)

 百日ぜきは、英語ではパタシス(Pertussis)ですが、普通、通称でウーピング(フーピング)・コフ(Whooping Cough)と呼ばれています。せきが続いて肺に空気がわずかになり、苦しくて口から息を吸い込む時に鳴るノドの音がウープ。せきの音の合間に割り込んで、コッ、コッ、ウ〜プ、コッ、コッ、ウ〜プと聞こえるのです。

 せきは嘔吐を伴います。乳児が感染すると、息だけでなく、食べることも母乳やミルクを飲むこともできず、CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、半数以上のケースで入院が必要となります。幼児の10人に1人は肺炎を併発し、50人に1人が痙攣の発作を起こすそうです。全米の死亡者は、例年10〜20人ですが、せきで眼底や脳内に出血することもあり、幼児250人に1人の割合で脳障害の後遺症が残ります。

大流行 かなり流行 (数字は12/18までの患者数)

 百日ぜきは3〜5年に一度の割で流行しますが、一部マスコミの報道によれば、今回の流行は、アメリカで1940年代にワクチンが接種されるようになってから最大の流行だということです。そこで、私も心配になってCDCのホームページを読んでみました。

 (私が読み取るところでは)CDCは、控えめながら「今回の流行を特別視してヒステリックに騒ぎ立てるな」と言っています。しかし、これは百日ぜきは怖くないと言っているのではありません。逆に、流行が下火の時期に油断して百日ぜき対策を怠ってはいけないと警告しているのです。地域的な流行…特にワクチン効果が薄れた子どもたちが通う中学や高校で感染が広がるのは、毎年、どこでも珍しくないそうです。

 そこで、流行の議論はいったん後回し。この記事の最重要ポイントを書きますから、パパやママ、グランパやグランマになられる方はしっかり覚えてください。

 とにかく、ワクチンの接種が完了する前=生後6ヶ月未満の乳児に、大人から病気が感染するのを防ぎましょう。乳児には母親の免疫抗体が引き継がれ、長ければ1歳のお誕生日頃まで病気をしないと言われていますが、百日ぜきは例外です。

 風邪を引いていたり、せきをしていたり、百日ぜきの疑いがある人を赤ちゃんに近づけるのはもってのほかですが、そんな消極的対策では不十分です。赤ちゃんに接する可能性がある家族やベビーシッターなど全員が、あらかじめ「Tdap(乳幼児用はDTaP)」と呼ばれる大人用三種混合ワクチンの接種を受けておくべきです。

 百日ぜきは、「百日」の言葉通り、発症から完治まで普通12週間以上かかります。風疹のように、妊婦が百日ぜきにかかっても、胎児に奇形が生ずる心配はありません。

 冒頭の地図は、CDCの資料を加工して(私の基準で)百日ぜきが流行している州を色分けしてみたものです。今回の流行は、平年は比較的患者が少ないカリフォルニア州で流行してマスコミの目を引き付けたようですが、前回2005年の大流行の時に比べると全米平均では若干少ないくらいです。人口比で言えば、オハイオ州やミシガン州の方が患者数は倍ですから、一層の注意が必要です。


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