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2011年6月15日(第60号)

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「ナイアガラの滝」観光特集@…日帰りコース

 最重点展望ポイントは米加あわせて5ヶ所

映画「ナイアガラ」のマリリン・モンロー

⇒映画抜粋(昔の霧の乙女号と滝の裏)

 ナイアガラは、北米で日本人に最も人気がある観光地の一つです。私たちは、トロントに住んでいた若い頃に、日本からのお客様を嫌というほどご案内したので知らないことは全くないつもりでしたが、今回あらためて調べてみると、いつの間にか大きなカジノが3つも出来て大変身していたのでビックリです。

 ヘリウム気球のアトラクションがなくなってしまったのは残念ですが、ヘリコプターは健在。渦巻く急流をロープウェーで渡ったり、ジェットボートでさかのぼったり…要するに地域全体が一つの巨大なテーマパークです。


 でも、初めてのナイアガラ観光で、日帰りしなければならない方は、わき目を振らずにカナダ滝アメリカ滝の展望に専念しましょう。ナイアガラ観光は、誰が何と言おうと滝が主人公です。

ナイアガラ観光・e-マップ(ナイアガラの滝付近)

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サンプル

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===== テーブルロック =====

 滝の景観は角度によって変わります。展望ポイントはタワーや乗り物までいちいち数えれば少なくとも15〜20ヶ所になりますが、特にお勧めの展望ポイントは、@テーブルロックから下流にかけてのカナダ岸、A遊覧船の霧の乙女号、アメリカ側のBプロスペクトポイントとゴート島のC東D西先端です。

テーブルロックから見たパノラマ写真 (⇒クリックで拡大)

落ちる馬車逃げる人馬

 カナダ側で、誰もが訪れるのが滝の付け根にあるテーブルロック(Table Rock)。昔は岩がテーブルのように張り出していたそうですが、度々崩れてあぶないので1935年に爆破して先端を取り除いてしまいました。

Journey behind the Falls

 テーブルロック案内所のエレベーターを下ると「滝の裏めぐり」です。薄暗い洞窟を通り抜けて、まず滝の裏を見ます。続いて、滝つぼ脇の展望デッキに出て(黄色のレインコートを着るので大丈夫ですが)水しぶきを全身に浴びながら、じっくり滝を見上げてください。

 テーブルロックの背後には一段小高い台地があって、超短距離のケーブルカー(Niagara Falls Incline Railway)が運行しています。自動車全盛の現代に交通手段として役立っているかは疑問ですが、ちょうど屋外エレベーターのように、上昇中に変わっていく滝の光景が面白いので、テーブルロックのアトラクションの一つにカウントされています。

丘の上の夜景 (⇒クリックで拡大)

 丘の上のコニカ・ミノルタ・タワー(Konica Minolta Tower)は、少し北のスカイロンタワー(Skylon Tower)とともに高角度から滝を見下ろす絶好の展望ポイントでしたが、今は周囲にフォールズビュー・カジノリゾートヒルトンエンバシースイートなど高層ホテルが相次いで建って、心持ち肩身が狭そうに見えます。

 スカイロンタワー足元のクイーンビクトリアパークは、カナダ滝とアメリカ滝の真正面に当たるナイアガラ公園のロイヤルボックス席。夏の花火や冬のウィンターフェスティバル・オブ・ライツでもイベントの中心会場です。

 新婚旅行でナイアガラを訪れるカップルは、スカイロンタワー裏の観光局(Niagara FallsTourism)にいの一番に立ち寄りましょう。新婚旅行証明書を発行してくれるだけでなく、新婦のアトラクションが無料になるクーポンをくださるそうです。思い出作りで馬車に乗るなら、クイーンビクトリアプレースのギフトショップ(Queen Victoria Place gift Shop)へどうぞ。

===== 霧の乙女号 =====

Prospect Point Observation Tower

 さて、ナイアガラ川は南から北に流れています。テーブルポイントから1qほど流れに沿って下ると、遊覧船「霧の乙女号」の乗船所(Maid of the Mist)があります。今度は、水色のコートを着て水しぶきを浴びてください。

 滝を見ながらぶらぶら歩いていける距離ですが、移動にはピープルムーバーという二両連結のバスが便利です。

Maid of the Mist

 「霧の乙女号」の歴史は1846年にフェリーとして始まりました。乗船場が両岸にあるのも当然ですね。アメリカ側の乗り場は、カナダ側の乗り場のほぼその真向かい…プロスペクトポイント展望塔(Prospect Point Observation Tower)の足元にあります。

 さらに500mほど下って行くとダウンタウン、ここから川を越えてアメリカ側に渡ってみましょう。ナイアガラのレインボーブリッジ(Rainbow Bridge)は、天気さえよければ滝のしぶきで本物の虹がかかる正真正銘の虹の橋です。

 国境ですから、パスポートは忘れずに持参すること。歩いて渡れば、橋も絶好の展望ポイントです。アメリカ入国は無料ですが、カナダ入国には徒歩でもひとり(米ドルでもキャンドルでも)50セント徴収されます。車なら1台当たり$3.25。

Rainbow Bridge(⇒クリックで拡大)

===== アメリカ側(プロスペクトポイントとゴート島) =====

Niagara Falls Scenic Trolley(⇒拡大)

 プロスペクトポイントの展望塔は高さ86メートル。十字の美しい形が滝の景観にマッチしています。1954年にパイ型に張り出していた展望エリアの大半が崩れ落ちてしまったため、4年後に急遽工事を始めました。完成は1961年。エレベーターでアメリカ側の「風の乙女号」乗船場につながっています。

 ところで、ナイアガラ瀑布の真ん中に居座って滝を二つに分けているゴート島(Goat Island)には東西に絶好の展望ポイントがありますが、ここは全島アメリカ領。カナダ側から直接渡ることはできません。プロスペクトポイントのビジターセンターから1周30分の循環トローリーバスに乗りましょう。

Niagara Falls & Goat Island(⇒クリックで拡大)

Cave of the Winds (Luna Island & Bridal Veil Falls)

 ゴート島のアメリカ滝寄りには、テーブルロックの滝の裏めぐりのように、エレベーターで下り、展望デッキに出て滝を下から眺めるケーブ・オブ・ウィンズというツアーがあります。

 アメリカ滝を近くで見ると、一ヶ所、ルナ島という小さな島で仕切られて、花嫁のヴェール滝の名の通り一枚のヴェールのように形の整った滝が流れ落ちています。ルナ島には歩行者橋で歩いて渡れますが、ここはもう滝の寸前ですから、ちょっとしたスリルが味わえます。

 ケーブ(洞窟)というネーミングに疑問を抱いて調べてみると、確かに昔は花嫁のヴェール滝の裏に本物の洞窟がありました。しかし、天井が崩れる事故が度重なり、やむを得ず1955年に爆破して入口を閉鎖したのだそうです。

 ゴート島の反対側の先端はテラピンポイント。ここからはプロスペクトポイントと肩を並べる絶景のパノラマが拝めます。ここも、当然、他の展望ポイントに負けずに危険で、1969年から14年間はロープで閉鎖されていた歴史があります。昔のナイアガラ観光は、文字通り命がけだったのですね。

Terrapin Point(⇒クリックで拡大)

 ヘリコプターツアーは米加両岸にありますが、アメリカ側のヘリポート(Rainbow Air)はプロスペクトポイントのすぐ近く。滝見物のついでに乗りやすい場所にあります。

===== 冬の観光 =====

冬のアメリカ滝(⇒クリックで拡大)

 冬のナイアガラの滝には、春夏秋と全く違う光景があります。周辺も、特に11月の初めから1月末は、ウィンターフェスティバル・オブ・ライツのイベントで、電飾が市内とナイアガラ・パークウェーを5qにわたってライトアップして華やかに盛り上がります。

 大きな展示はディズニーのキャラクターや世界最大の米加両国国旗など合わせて120作品…中でも、ダファリンアイランド(Dufferin Island)の展示が見もの。

 そこで、「通(つう)のトラベラーなら冬のバカンスにナイアガラ!! 」と決め込みたいところですが、冬の気温は、時に零下20℃に下がる日もあることをお忘れなく。

しぶきで凍結したテーブルロック

 具体的にお勧めの服装といえば、スキーウェアが一番。厚手の手袋にブーツ、頭にはスキー帽。寒い日には、マフラーなどで耳や顔の広い範囲を覆い、少しでも素肌の露出を減らす工夫をしましょう。

 マイナス10℃を越える日に屋外に出ると、すぐに身体が芯まで冷えてしまいます。そんな日に滝見物をするなら車を近くの路上に停めておきましょう。見物人の数も少なくて、(保証はできませんが)短時間の駐車なら大目に見てくれると思います。

 「霧の乙女号」の運行は、4月から10月下旬までですが、テーブルロックの「滝の裏めぐり」は年中無休です。アメリカ側は、プロスペクトポイントの展望塔が年中無休。ケーブ・オブ・ウィンズは5月から10月下旬までです。


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