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2013年7月15日(第84号)


3、4歳児の銃暴発事故多発⇔銃で侵入者撃退のケースも多発

 著名竜巻ハンターが殉職・高速道路の橋が崩落

 アメリカ生活を存分に楽しむなら、たまには現地マスコミの報道を通じて、ナマのアメリカの日常に触れてみませんか。このコーナーでは、毎月、現地マスコミの動画ニュースの中から皆さんのご興味をひきそうな話題を選んで、日本語解説付きでごらんいただきます。


6月3日 ベテラン竜巻ハンターが殉職(オクラホマ州)

5月25日 高速道路の鉄橋が崩落(ワシントン州…I-5)

6月7日 3〜4歳児の銃暴発で本人や父など死亡続発

(関連) 婦女子が侵入者を銃撃して助かる事件も多発


6月3日 ベテラン竜巻ハンターが殉職(オクラホマ州)

 この頃は日本でも比較的大きな竜巻が起きるようになったせいでしょうか、小学校が破壊されて多数の児童が亡くなったせいでしょうか、5月20日にオクラホマシティを襲ったEF5(最強)の竜巻については、日本のマスコミもこれまでになく詳しく報道していましたが、YouTubuに、近距離で撮影された鮮明な動画が多数投稿されているのには驚かされます。例えば小学校に迫る竜巻の映像はこちら。発生の瞬間から大竜巻に成長していく過程を見るならこちらです。

 それもそのはず、最近は面白半分で竜巻を撮りに来る素人の竜巻ハンターが増え、交通渋滞さえ起きかねない困った事態が起きているそうです。

 ちょうどそんな時、5月31日に再びオクラホマシティを襲った竜巻で、その道25年のベテランハンターのチームが竜巻に巻き込まれて3名全員が死亡する事故が発生。これまで、竜巻の内部構造の解明などに貢献してきたりっぱな研究者を失って、アメリカの気象予報に関係する人々は悲しみに暮れています。

 ひとりの遺体は、車から半マイル(800m)離れた場所で発見されました。竜巻が予想外に向きを変え、半径も突然拡大したので逃げるいとまがなかったようです。

 ウェザーチャンネルのチームの車も飛ばされて、6〜8回転して着地したので大型のSUVが無残な姿になってしまいましたが、搭乗者3名は幸い全員が無事。カメラマンは車内でカメラを回し続けていたのですが、こちらの映像を見ても、何が起きたのかあまりよく分かりません。


5月25日 高速道路の鉄橋が崩落(ワシントン州…I-5)

Skagit River Bridge before Collapse

 5月23日午後7時頃に起きた事件。シアトルの北約100qでインターステート5号線の鉄橋が崩落し、2台の車がスカジット川に投げ出されました。

 原因は、直前に通った超過積載車が橋のトラスという枠の桁を引っ掛けて壊してしまったため…積荷の高さは4.8mで、桁の高さ5.2mの内側レーンを通るよう定められていましたが、桁の高さ4.55mの外側レーンを通ってしまったというお粗末なミスによる事故です。

 トラス橋は、フェイルセーフ(トラブル回避)の余裕が少ない構造です。アメリカでは、9つに一つの橋が老朽化して修理が必要とされていますが、この橋はその対象外でしたから、むしろ事情は深刻かもしれません。

 日本では、中央高速笹子トンネルの事故をきっかけに交通インフラの老朽化を懸念する声が高まっていますが、アメリカでは、2007年に大都市ミネアポリスの中心部にかかるインターステート35号線の橋が落ち、60台以上の車が転落して13人が死亡する大事故が起きてから、全米レベルで老朽化した橋を総点検し、修理改修工事が進められています。

 インターステート5号線は西海岸南北交通の大動脈で、スカジット川橋は1日に7万1千台の車が利用していました。橋の修復は早くても今年の暮れになりそうで、しばらくは500m上流の一般道路の橋が迂回路になります。


6月7日 3〜4歳児の銃暴発で本人や父など死亡続発

 先月は、ケンタッキー州で「5歳児」が誕生日にもらった自分の銃で妹を射ち殺してしまった事故についてお伝えしましたが、このところ「4歳児」や「3歳児」の銃の誤射事件が立て続けに報道されています。いずれも被害者が死亡した事件ですから、ひょっとしたら、これらは氷山の一角。傷害やただの暴発で済んだ事件は、世間に公表されていないのかもしれません。

 6月7日にアリゾナ州フェニックスの北方山間部で起きた事件では、イラク戦争の帰還兵で35歳の父親が亡くなりました。予告なしに訪れた友人の家で4歳の息子が銃を見つけ、手に取って「これ、なーに?」というやいなや父親に向けて弾丸が発射されたそうです。

 5月15日には、フロリダ州北部レイクシティのアパートで4歳児と2歳児が銃で遊んでいて、危ないから取り上げようとした11歳の親類の子が撃たれて死亡しました(⇒動画)。同じくフロリダ州のタンパで、1週間前に、3歳児が自らの手で引き金を引いて落命したばかりとのことです。

 本人が起こした暴発事故で4歳児が死亡する事件は、4月12日にはヒューストン北部でも起きました。普段は別居している息子が、週末に訪れた父親の家で胸を撃ち抜いてしまったのです。ただし、この父親は麻薬密売人で、問題の銃も盗品でした(⇒動画)。 

 3歳から4歳は、子供が何に対しても興味を覚える時期ですから、銃に限らず危ないものが目に入らないようにしておくのが親の責任です。


(関連) 婦女子が侵入者を銃撃し助かる事件も多発

 さて、私はもちろん「銃規制派」の立場で皆さんにニュースをお伝えしているのですが、実は銃が弱者の護身に役立った例もたくさんあります。アメリカには、犯罪発生率が非常に高い居住区もあり、こうした地域に住む人々は、警察が駆けつけるまで、銃に頼るほか身を守るすべがないのが現実です。

 昨年(2012年)の元日の夜にオクラホマシティで起きた事件では、1週間前に夫の葬儀を終えたばかりの生後3ヶ月の乳飲み子を抱える18歳の母親の家に、ナイフを手にした二人組が押し入りました。未亡人がショットガン(散弾銃)と銃で反撃し、犯人の一人が死亡しました。

 母親は赤ちゃんとバスルームに立てこもって警察を呼びました。911番との電話は21分に及びましたが、母親の「男がバスルームに入ってきたら撃っていいか」との照会に、警察は「撃っていいということはできないが、あなたは赤ちゃんを守るためにすべきことをしなさい」と回答しています。実際、オクラホマ州も含めほとんどの州で、家宅侵入者に対する銃の使用は正当防衛と認められています。

 オクラホマ州が続きますが、次はダラス北方のテキサス州境で昨年の10月に起きた事件(⇒動画)。年齢的には一人で留守番させてもいいか悪いか、地方によって少し微妙ですが、それはともかく事件は母親が12歳の少女を家に残して外出しているときに起きました。不審者が裏口のドアをけ破って家の中に侵入してきたのです。

 少女から電話を受けた母親は、家族の護身用ピストルを持ってクローゼットに隠れるように指示…警察に通報して自分も家に急行しましたが、間に合わず、犯人がクローゼットのドアを開けようとノブに手をかけた瞬間、少女のピストルが火を噴きました。

 ケガをした犯人は逃走。しかし、駆けつけた警官に取り押さえられて、そのままヘリコプターでテキサス州の病院に運ばれました。

 3つ目(⇒動画)は、ジョージア州のアトランタ東方の町で今年の1月に起きた事件。奥さんが家で仕事をしていると、不審者が呼び鈴を鳴らしました。電話を受けた勤務先の夫は、子供たちを連れて2階の物置部屋に隠れるように言って、警察に電話します。犯人は物色しながら家の中を進み、ついに物置部屋のドアを開けました。

 妻の電話から漏れ聞こえる家の様子を、そのまま警察に伝えようとしているので、まるで実況中継です。「妻が撃った。撃ってる。撃ってる、また撃った。」、「犯人が許しを求めてるようだ。絶叫してる。」。

 奥さんは「(たちまち弾を撃ちきってしまいましたが)動くと、また撃つわよ。」。顔面と首に銃弾を受けた犯人は逃走を試みましたが、樹木に車をぶつけてしまって万事休す。奥さんと子供たちは、その間に隣家に逃げ込んで無事でした。