アメリカの 「単位と換算」・e-ガイド(印刷ページ

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ヤードとポンド

★長さ(インチ/フィート/ヤード/マイル) 広さ(平方フィート/エーカー) ★重さ(オンス/ポンド)かさ(液量オンス/ガロン)


 尺貫法やヤード・ポンド法は、身体の部位や穀物袋などを基準にした自然発生的な単位を体系化したものですから、「インチ」を12倍すると「フット」、さらに3倍すると「ヤード」とややこしい限り。1「フット」が倍になると複数で2「フィート」に変化するのも面白くありません…日本人には不便千万ですよね。

 メートル法は、1770年にフランス国民議会が、自由・平等・博愛の精神のもと、世界共通単位として発案しました。例えば「長さの単位」は、地球一周が4万キロメートルと科学的に決められたのです。私たちにはごく当たり前ですが、単位同士が10進法で換算されるのは正に革命的な事件でした。他の単位も同様に合理的に定められ、摂氏零度で1メートルの長さとなるメートル原器が白金90%の合金で製作されました。


長さの単位(インチ/フィート/ヤード/マイル)


ヤードは両手を開いた長さの半分

インチ (inch)

1/12 フィート

2.54 cm

フィート (feet)

1/3 ヤード

30.48 cm

ヤード (yard)

(基準値)

0.9144 m

ポール (pole)

5.5 ヤード

5.0292 m

チェーン (chain)

4 ポール

20.1168 m

ハロン (furlong)

10 チェーン

201.168 m

マイル (mile)

8 ハロン

1.609344 km

リーグ (league)

3 マイル

4.828032 km

 

平方フィート(square feet)

1フィートX1フィート

0.09290304u

ルード(rood)

1ポール×1ハロン

1011.7141056u

エーカー(acre)

1チェーン×1ハロン

4046.8564224u

たたみ2畳

3.305785u

 

 通説では、インチが親指の幅、フィートが靴底の長さ、ヤードはウェストサイズに由来するとか両手を広げた長さの半分だとか言われています。全てその通りなら、古代メソポタミア人やローマ人の身長は180cmで足の裏が30cmもあったことになってしまいますが…?

 身長は、フィートとインチで表します。例えば5フィート8インチは5’8”といった具合に、フィートには ’、インチには ”の記号を使うことが多いので覚えておきましょう。

 マイルの語源は、ミリオン(千の千倍)やミリ(千分の一)と共通で、千を表す言葉です。古代ローマで、1マイルは「2歩」に相当する単位(フィートの5倍)パッススの千倍で「ミッレパッスス=mille passus」と呼ばれていました。つまり、もともとは5000フィートだったのです。


広さ(面積)の単位(スクエアフィート/エーカー)


アメフト競技場と1エーカーの広さ

 家の広さはスクエアフィート、庭の広さはエーカーで表します。スクエアは英語で正方形…スクエアフィートは1フィートx1フィート=1平方フィートの面積。フィートの二乗ですから「ft2」と表記されます。

 エーカーは、昔、北欧で農夫一人が牛を使って1日に耕せる畑の広さを表す単位だったそうです。1エーカーは(エンドゾーンを除く)アメリカンフットボール・コートの10分の9の面積といえばお分かりですか?日本式に換算すると、一坪は35.58ft2、1エーカーは1,224坪になります。皆さんのお住まいの敷地面積は、きっと150〜300坪あるのではないでしょうか?芝刈りがたいへんなはずですね。


重さの単位(グレーン/オンス/ポンド)


 長さは「人体」が基準でしたが、重さは「主食」が基準です。古代メソポタミアで、大麦一粒の重さを基準に「グレーン」が決められました。当時のグレーンは現在のグレーンより一回り小さくい単位で、おそらく40mg前後だったようです。ちなみに、わが家で実際に食べているお米の重さを計ってみると一粒が約25mgでした。丈の短い日本米で、しかも精米済みですから、ちょうどそんなところでしょう。そそて、人ひとりが1日に食べるパンを作るのに必要な粉の重さが「ポンド」でした。

もみ殻を除いた大麦一粒の重さ

パン1日分の粉の重さ

元はポンドの1/12

重さ1オンスの水量

グレーン

ポンド

インチとオンスは同語源

液量オンス

グレーン(grain)

1/7000ポンド

64.79891 mg

ドラム(drachm)

 1/16オンス

 1.7718451953125 g

オンス(ounce)

1/16ポンド

28.349523125 g

ポンド(pound)

(基準値)

0.45359237 kg

クォーター(quarter)

25ポンド

11.33980925 kg

百ウェイト(hundredweight)

4クォーター

45.359237 kg

ショートトン(short ton)

20百ウェイト

907.18474 kg

 

 

 

 

 

 

 

 

液量オンス(ounce)

1/16液量パイント

29.5735295625 mℓ

パイント(pint)

1/2クォート

473.176473 mℓ

クォート(quart)

1/4ガロン

946.352 946 mℓ

ガロン(gallon)

(基準値)

3.785 411 784 ℓ

バレル(barrel)

31.5ガロン

119.240 471196 ℓ

ブッシェル(bushel)

8 米乾量ガロン

35.23907017 ℓ

立方フィート(cubic feet)

フィートの三乗

28.3168466 ℓ

 

 「オンス」は、今では「ポンド」の1/16の単位として使われていますが、もともとは1/12を表すウンキア(uncia)という言葉に由来します。長さのウンキアは「フィート」の1/12…いつの間にか発音が「インチ」と変わり、現代に至りました。ローマ時代に発行されたウンキア銅貨も、青銅貨の1/12の価値を持つコインとして発行されたものです。 

 オンスには、貴金属用のトロイオンスと薬剤用のオンスがあるそうですが、ありがたいことに、近年では滅多に用いられなくなったそうです。実際、日常生活はポンドとオンスさえ知っていれば困りません。

 オンスの略号は「oz」で分かりやすいのですが、ポンドの略号は「lb」です。スーパーに行くと計り売りの商品は「lb $.35(ポンド当り0.35ドル)」とか「lb ¢35(ポンド当り35セント)」とか書かれて売られていますから、しっかり記憶しておきましょう。ポンドは、昔、「リブラポンド(libra pondus)」と呼ばれていたのですね。リブラ(libra)はローマ時代の天秤を表す言葉です。


かさ(容量)の単位(液量オンス/ガロン)


 容量のオンスは、重さのオンスと混同することがないよう、しばしば液量オンス(fluid ounce)と呼ばれています。清涼飲料の缶にも、略号で「fl oz」と書かれているでしょう?正確には微妙な違いがありますが、基本的に、重さ1オンスの水の容量が1液量オンスです。

 皆さんも、アメリカのスーパーで牛乳やジュースが1ガロン(約3.8ℓ)の巨大容器で売られているのをごらんになって、度肝を抜かれたのではありませんか。1ガロンはピッタリ128液量オンスですが、それは液量オンスの単位を少し調整したからで、ガロンやクォートやパイントは、もともと、ワインの容量を表す別の単位でした。各地で各商品に様々なガロンが使われていたので、ワインについては18世紀初頭に直径7インチ高さ6インチの円柱の体積を1ガロンと決め、その後、円周率に22/7(3.1428…)を使って計算した結果で231立方インチと再定義しました。

 しかし、それでも整理し切れなかった別のガロンが商品取引の世界には残っています。石油を取引する単位のバレル(樽)は液量ガロンが基準ですが、穀物を取引するブッシェルは(液状でないものを量る)乾量ガロンの8倍です。

 それから、身の回りの単位としては、これで全てのはずですがキュービック(立方)フィート(ft3)…水道料金の請求書に載っている使用水量を表す単位です。