アメリカの 「住まいと庭仕事」・e-ガイド(印刷ページ

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芝刈り

★望ましい芝の丈(高さ) ★芝刈りの頻度 ★刈りクズの処理 ★芝刈り機 ★エッジ(縁)の処理


 芝刈りの頻度は、地方によって違いますが、冬場を除きたいてい週1回は必要です。春から初夏にかけてはよく雨が降るので、週2回刈らないとぐんぐん伸びてしまう時季もあります。

 私たちが住むケンタッキー州レキシントンでは、業者に頼むと1回25〜40ドルくらい取られてしまいます。近所の子のアルバイトを頼むにしても、10ドルではちょっと少ない?…嫌な顔をされるかもしれません。

 庭の傾斜が非常にきついお宅はなるべく借りないこと、トラクター・タイプは大げさですが、レバーを握れば(押さなくても)勝手に進んでくれる自走式の芝刈り機を買うことがポイントです。


望ましい芝の丈(高さ)


 2.53インチ(1012 cm)前後に保つのが理想的です。 丈が長い方が多くの日光を葉で受けることができますから、芝が太く育ち根もしっかり張ります。ですから、乾燥に耐え、病虫害にも強い芝になります。 また、丈が長いと、地表を直射日光から守り、地面の温度の上昇を抑えて湿気を保ちます。ですから、雑草が発芽して繁殖するのを防ぎます。


芝刈りの頻度


 芝の伸びる速さは季節で変ります。必ず何日に一度と決めず、その都度、芝の丈の3分の1以上を刈り込まなくても済むくらい頻繁に刈ってください。 一度に大きく刈り込むと、芝に深刻なショックを与え、往々にして芝の根を駄目にしてしまいます。日中、華氏90度(摂氏32度)を越えるときに刈ると芝を傷めます。朝晩の涼しい時間帯に刈りましょう。


刈りクズの処理


 刈りクズが短ければ取り除く必要はありません。短い刈りクズは、すぐに腐って良い肥料になります。窒素、リン、カリウムなどの栄養素を土に還元し、水持ちも良くします。大量の刈りクズが芝をおおって病害が発生するおそれがある場合や景観がひどく見苦しい場合は取り除いてかまいません。 つまり、日頃、頻繁に芝を刈っていれば、それだけ刈りクズの処理が不要になるということです


芝刈機


 芝刈機(Lawn Mower)には、電動型とディーゼル・エンジン型の2種類があります。電動型は管理がしやすくエンジン始動のわずらわしさもありませんが、力が弱く、うっかりするとコードを芝刈り機で切断してしまう欠点があり、頻繁に芝を刈る地方では、あまり普及していないようです。

 ディーゼル・エンジン型を買うときには燃料のガソリンを入れるプラスチック・タンクも必要ですが、漏斗(じょうご=Funnel)もあると便利です。

 芝刈機の刃がなまくらだと芝生が「トラ刈り」になってしまいます。お庭の景観も損なわれるだけではなく、芝刈りの時間や労力もそれだけ余計にかかります。芝刈機の刃は常にシャープにしておきましょう。年に46回(最低1回)研いでください。

 刃はホーム・センターや金物屋に持っていけば研いでもらえます。刃を装着するボルトは、普通のボルトと逆に反時計回りで締まるタイプかもしれません。刃は固く締まっていますから、取り外し時には軍手をはめるなど怪我をなさらないよう十分注意してください。


芝生の縁(エッジ)の処理


 芝刈り機で表面を刈るだけでは、芝生の景観は保たれません。縁まで刈り残しがないように、縁をきっちり角刈りにしてドライブウェーや歩道にはみ出さないようにきれいに刈るには、芝刈りの補助機が必要です。家の壁や柵など障害物の周りなど芝刈り機が扱いにくい場所の芝は、縁刈り機(写真右上=Edge Trimmer)を使って刈りましょう。縁刈り機は、安全性に配慮して、刃の代わりにビニール製の細ひもを高速で回転させて芝をカットします。

 美しく整備された芝生の庭が並ぶサブディビジョン(団地)に住んでしまうと、1軒だけ芝生のエッジの生え際をボサボサにしていてはすまないような気がしてきます。エッジを整えるには専用の縁刈り機(写真左=Lawn Edger)を使わなければなりません。