肩こりも病気
カバーされる治療費の額は勤務先がかけている保険によって違いますが、日系企業の場合は一般的に手厚いので年に診療20回くらいまで自己負担なしというケースも聞いたことがあります。 しばしば誤解されていますが、カイロプラクティックと、指圧やマッサージは全く違います。カイロプラクティックは、患者さんのツボを押したり筋肉を揉みほぐしたりするのではなく、頭や肩、腰などに手を当てて関節を「コキッ」とひねり背骨のゆがみを矯正する医療です。 誰にでもできそうですが、素人が真似をしたら危険。1895年、背骨の不具合を正してもらったところ、耳の不自由な人の聴力がたちどころに回復したのが起源なのだそうで、少し意外ですがアメリカのアイオワ州生まれです。 自然治癒力回復が目的
すなわち、自律神経は、脳から背骨(脊椎)を経由して椎骨のすき間(椎間)から様々な臓器に配線され、人の呼吸や心拍、消化、新陳代謝などの生理現象をコントロールしています。背骨がゆがみ椎骨がずれると、自律神経が圧迫されて働きがにぶり、自然治癒力がおとろえて病気にかかりやすくなります。 あるいは、西洋医学的には「病気」に分類されない「身体の不調」というのが起きることもあります。人体の神経の9割は「痛み」を感じませんから、椎間板ヘルニアと呼ばれるほど事態が悪化するまで、なかなか本人にも原因が分からないのです。 そもそも、人類は脊椎動物のおきてを破り直立歩行を始めたへそまがりです。重力に逆らって30〜40年暮らしていると、たいていの人の背骨が曲がってきます。子供の頃のケガや病気で両足の長さが微妙に違ったり、かみ癖が悪くてあごがゆがんだりしている人は姿勢が悪くなりがちで、普通の人より背骨のゆがみが早く進行します。 診療日記(受診例) 私自身は、最初、特段の病気があったわけではなく、健康診断のつもりでカイロプラクティックをお願いしたのですが、自分の脊椎のX線写真を見て唖然としました。何年も前の話になりますが、私の診療日記を読んでみてください。 ●初日はコンサルティング。格別悪いところはないのであまり効果は期待していない。Dr.リンチはおしゃべり。問われるままに日頃の体調やケガ、病歴などえんえんとしゃべった。首や背骨のX線写真を撮った。
●週3回ずつ1ヶ月治療を受けたら、とにかく体調が変わった。当たり前と思っていた肩こり、腰痛がなくなって、たとえ風邪をひいても以前のように長引きそうな気がしない。目もよく見える。疲れないから仕事もはかどる。頚椎のずれで自律神経が過剰反応を起こしていたらしい。辛いものを食べると異様に汗をかく症状がなくなった。血圧の乱高下も改善。いびきが減ったと家内も評価している。 ●冬休みで大学生(当時)の息子が帰省して来た。「駄目もと」とは思うが、とにかくDr.リンチに見てもらおう。リンパが脹れやすい体質で、4,5年前からアレルギーもひどくなる一方。「首が右に傾いていてアレルギーを引き起こしやすくなっている・・・リンパの脹れはアレルゲンに対する正常なリアクション」と明快な説明。そういえば逆子で生まれた息子、小児科医から斜頚は直ったと聞いていたのだが。本人も「写真撮ると、いつも首をかしげて写ってるんだよね」と納得。これで、永年の息子の悩みが解決するかもしれない。期待! お分かりいただけましたか?私たちも最初は見くびっていたのですが、何事も「年のせい」や「持病」と簡単に片付けていると損をします。カイロプラクティックは、肩こりや腰痛など身体のふしぶしの痛みを緩和するだけではなく、腎臓の働きを高めて糖尿病の進行を遅らせたり、ご婦人ならば更年期障害の症状を緩和させたり、人体本来の能力を引き出して万病を治す医術です。アメリカ駐在で健康保険が使えるうちに、一度、診察を受けてみてはいかがでしょう。 脊椎と臓器の関係を、単純化して絵に描いたみました。実際には、神経線維がいったん合流してまた分かれたり、もっと複雑な様相をします。 脊髄と臓器の関係図 鍼灸・漢方薬とサプリメント
東洋医学は針やお灸を使う治療と漢方薬の処方などを総合した医療ですが、東洋医学のお医者さんは、普通、単に鍼灸師(Acupuncture)と呼ばれています。1973年以来、各州で徐々に認知されるようになってきました。
サプリメントも、漢方と起源は同じで、近代医学が興る前のヨーロッパの薬草学から始まったのでしょう。ビタミンやサプリメントは安いので、日本にお土産で持ち帰ってあげると喜ばれます。 カイロプラクティックや東洋医学も、サプリメントも、長期間続けることが大事です。三日坊主をなさいませんよう…。 |