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全米各地の制限速度

★過疎地は高速 ★ハワイにも高速道路 ★速度は州の裁量 ★モンタナ無制限は3年で廃止


全米各州の最高制限速度

 2007年の夏にケンタッキー州の(最高)制限速度が、周辺諸州に合わせて時速65マイルから時速70マイルに見直されたのを最後に、この5年間は州単位の改正は実施されていません。


過疎地は高速


 テキサスの制限速度は時速75マイルですが、ダラス-フォートワースとヒューストンの人口密集地域は65マイル、逆に1平方マイル当りの人口が15人以下の過疎カウンティーを通る高速道路には、これまで全米最高だった時速80マイルの速度制限が適用されています。

 続いて、北米自由貿易協定締結以来混雑しているインターステート35号線のバイパスに当たる州立高速道路130号線(有料)にも80マイルが認められ、11月に開通する新区間には初の85マイルが許可されることも決まりました。

 そういえば、過疎地が多いユタ州の制限速度も80マイル。ドイツのアウトバーンの推奨速度が130q(81マイル)ですから、かなり限界に近い制限速度ですね。


ハワイにも高速道路


 さて、ハワイの制限速度は時速60マイルと全米最低ですが、そもそもインターステートがあるのでしょうか?…答はイエス:オアフ島には「I」ならぬ「H」で始まるハワイアン・インターステートが4本あるようです。


速度は州の裁量


 もともと速度制限は州政府の裁量でしたが、1973年の石油ショックを機に、連邦議会がガソリン消費の節約のため全米の最高時速を55マイルに制限しました。しかし、連邦法を無視する州が少なからずあったようで、1987年には議会も規制を65マイルに緩和し、さらに1995年には、結局、昔のように「各州のお気に召すまま」に戻したのだそうです。


モンタナ無制限は3年で廃止


 最後にロッキー山脈が縦貫するモンタナ州のトピックスをご紹介しましょう。モンタナ州には1995年12月から3年間にわたり、速度制限のない時代がありました。と言っても、数字が決まっていないだけで、左の標識のように「リズナブル(無理のない)で プルーデント(分別のある)」なスピードで運転するよう言葉で定められていたことがトラブルの元でした。

 1996年の3月に時速85マイルで運転していたドライバーがスピード違反で切符を切られる事件が起きます。怒ったドライバーは、州の最高裁に上告して98年12月に「数字で明示しない速度制限は州憲法に違反する」として無罪を勝ち取りました。モンタナ州が時速75マイルの制限速度を制定したのは、その直後のことでした。