アラバマの地形

★アパラチア山系 ★フォールライン ★ブラック・ベルト ★ピードモントとノースアラバマ ★ガルフコースト


 複雑なアラバマ州の地形を理解するには、アパラチア山脈とミシシッピー川の形成について知る必要があります(⇒「自然と歴史・e-百科」北米6億年の地史)。

=== アパラチア山系 ===

 アパラチア山脈の形成は4億8千万年前に始まりました。2〜3億年前のピーク時には、超大陸パンゲアの背骨で、高さでも現在のロッキー山脈に負けない超巨大山脈でした。

 その後、地球は大陸の分裂期に入り、フロリダ半島を境に東はアフリカ大陸、西は南アメリカ大陸となって離別していきました。アパラチア山脈の東の端は、モロッコの小アトラス山脈となりました。西では、現在のミシシッピー川を境に大陸が分裂しかけた時期があり、遠くアーカンソー州のオザーク山地にアパラチア山脈の最西端が残っています。

=== フォールライン ===

 アラバマ州の北東部は、アパラチア山脈の古い地層に覆われています。南部は沿岸平野で、大陸が分裂を始めた2億年前以降に堆積した土砂で形成されました。

 二つの地層の境界では各河川に滝ができ、水力を利用しやすく下流から船も遡行しやすいこれらの地点には、フォールライン・シティズ(滝線都市)という工業都市が軒を連ねました。アラバマ州では、モンゴメリーやタスカルーサが該当します。

=== ブラック・ベルト ===

 フォールラインの南は、土地の肥沃な黒土地帯で古くから「ブラック・ベルト」と呼ばれていましたが、やがて綿花のプランテーション農業が発展し黒人奴隷の人口が増えるにつれ、自然に黒人が多い地域を表す言葉に転用されるようになったのだそうです。モンゴメリーで1955年に起きた市バスのボイコット事件が、黒人の差別の解消を訴える全米の公民権運動に火をつけました。

=== ピードモント・ノースアラバマ ===

 バーミングハムは、アトランタやシャーロットと同じアパラチア山麓台地(ピードモント)の都市で、近隣で石炭が産出され、南部鉄鋼業の中心地として発展しました。

 さらに北のハンツビルやフローレンスはテネシー川の中流部で、地域としてはノースアラバマに分類されます。テネシー川は、ノックスビルやチャタヌガ方面からアパラチア山脈の谷間を流れ下り、ノースアラバマで西に流れた後、沿岸平野の境界を北上し、ケンタッキー州のパドゥーカ付近でオハイオ川に注いでいます。

=== ガルフコースト ===

 南のモービルは海の幸の宝庫です。映画「フォレスト・ガンプ」でトム・ハンクスが演じる主人公がエビ漁をした所として、覚えておられる方も多いことでしょう。アラバマ州に行くと、海から400qも離れたセントラルアラバマのバーミングハムあたりにもシーフード・レストランがいっぱい。海のないケンタッキー州に住む私たちにはうらやましい限りです。

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