ホワイト川


ワバシ川・ホワイト川流域(⇒拡大)

行楽地案内図(⇒拡大)

 ホワイト川はワバシ川の支流で、インディアナポリスを流れる東川とコロンバス(インディアナ)を流れる西川に分かれています。川砂が白く、インディアンの時代から「白砂川」と呼ばれていました。

 そもそもワバシ川とホワイト川の流域は、氷河が下りてきて繰返し地表を浸食し、また一時は、古代のエリー湖が南に流れていた時代の流路だったこともある土地で、今でも湖水や細い流れが多数残されています。インディアナポリスの周辺の行楽地も、ホワイト川の流れと関連付けて覚えてください。


美術館とオールドフィールズ


Indianapolis Museum of Art

Indianapolis Museum of Art

 インディアナセントラル運河のダウンタウン・セクションにはキャナルウォークがありましたが、北部セクションの脇にもセントラルキャナル・トレイルという散歩道があります。

Oldfields

Oldfields

 途中、38番街の近くでホワイト川が大きく湾曲している緑豊かな場所に、インディアナポリス美術館があります。日本人好みの新印象派やゴーギャンの作品がありますから、期待してください。日本の狩野派や南画を含め、世界中から多彩な美術品が集められています。隣接するオールドフィールズ、あるいは別名で「リリーの家と庭園」と呼ばれる美しい邸宅も、この美術館の一部です。かつては薬品会社の創業者イーライ・リリーの弟さんご家族が暮らしていました。

 また、しばらく北に進むと、バトラー大学のキャンパスがあります。インディアナでは州立のインディアナ大学や私立のパデュー大学とノートルダム大学が有名ですが、インディアナポリス市民がスポーツで応援するのは、地元のバトラー大学…インディアナ大とパデュー大の公開講座が統合されてできたIUPUI(インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校)もありますが、強さで少し見劣り?バトラー大学のホルカム天文台プラネタリウムは、不定期に一般公開されています。


コナー・プレーリー歴史公園


Conner Prairie

 運河は63番街付近でおしまいですが、その後もホワイト川をさかのぼれば、そこは日本人の皆さんも数多く住んでおられるハミルトン・カウンティ(カーメル・フィッシャーズ・ノーブルズビル)です。

Indiana Transportation Museum

Indiana Transportation Museum

 1820年代にウィリアム・コナーという毛皮商人がこの地を一早く開拓しました。フィッシャーズには、コナーの家と当時のインディアナの暮らしを再現したコナー・プレーリーという歴史公園があります。ほかにも南北戦争関係の展示と、春から秋は熱気球乗りのアトラクション。

 夏は、ノーブルズビルのモースレイクで泳ぎませんか?モーターボートのマリーナやディスクゴルフのコースなどレジャー設備も整っています。フォレスト公園のインディアナ交通博物館からは、一年を通じて、様々なタイプの小さな汽車の旅が企画されています。


世界最大の子供博物館


Indianapolis Children's Museum

Indianapolis Children's Museum

 インディアナポリス市内に戻って、今度はIUPUIの北を流れるフォールクリークをさかのぼります。まずはインディアナポリス子供博物館に立ち寄ってみましょう。何と言われようと世界最大の子供博物館というところが、インディアナポリス市民の誇りです。恐竜・機関車・宇宙、エジプトのファラオの墓・中国の兵馬俑・沈没したカリブの海賊船、メリーゴーランド・劇場・プラネタリウム等々、子供の喜ぶものは何でもそろえる意気込みが素晴らしいですね。

Fort Harrison State Park

Fort Harrison State Park

Indiana State Fair

Indiana State Fair

 次は、毎年8月にインディアナ州のステートフェアが開かれるステートフェアグラウンド…1964年にはビートルズも公演したという由緒ある会場で、ほぼ半月の期間中に約百万人の観客が訪れます。

 さらに西に進んで環状高速道路を越えると、フォート・ハリソン州立公園。「フォート」といっても開拓時代の砦ではなく、1908年創設の近代陸軍の駐屯地があったところです。1991年に基地は一部を除いて閉鎖され、市民の憩いの場に生まれ変わりました。フォールクリークを見下ろす遊歩道は、ほんの少し日本的な風情ですね。


ガーフィールド公園


Garfield Park Conservatory

Garfield Park Conservatory

 再びホワイト川に戻り、もっと南のプレゼントランという川をさかのぼると、ガーフィールド公園があります。1876年にできたインディアナポリスで最も古い市立公園です。シカゴにも同名の公園がありますが、二つとも、1881年に暗殺されたガーフィールド大統領の死を悼んで改名したため名前が重なってしまいました。

 ここでは、温室植物園とサンクンガーデン(沈庭園)という形式の庭が有名です。日本では使われない言葉ですが、サンクンガーデンとは、見晴らしよく小高い場所から一段低い庭を見下ろすように設計された庭のこと…ヨーロッパの宮殿でよく見かけますが、そういえば日本の公園にもありますね。


イーグルクリーク公園


Eagle Creek Park

Eagle Creek Park

 環状高速道路の西には、これも市立のイーグルクリーク公園があります。イーグルクリークもホワイト川の支流ですが、公園の部分は5.7平方kmの貯水池になっていて、陸地部分を合わせると22平方キロの大公園。皇居とニューヨークのセントラルパークの面積がほぼ同じで3.4平方キロですから、その6倍の広さです。

 夏は泳ぐこともできて娯楽設備も整っていますが、大半の地域では自然保護が優先されていて、のべ16kmのハイキングコースを歩きながら野生動物の姿を身間近に見ることができます。


体験農場やワイナリー


 お子様は近郊の酪農場やハチミツ農場に連れて行って、この機会に、日本の都会ではできない体験学習をさせてあげましょう。

 トレーダーズポイント酪農場はザイオンズビルですから、カーメルから車でたったの20分。ここでは、牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリームなどを作っています。乳絞りから製品が出来上がる工程を見て回り、レストランでヨーグルトやチーズを賞味、お土産に絞り立てのミルクをお持ち帰りください。秋には、カボチャのお祭りで、トラクター・ライド(荷車に乗ってトラクターで引っ張られるアトラクション)もやっています。

 ハンターズ・ハニーファームは空港の20マイル南東で、カーメルからは車で1時間。コロンバス(インディアナ)からも車で1時間弱で、セントラルインディアナ南部のお住いの方には行きやすい行楽地です。ここでは、ハチミツをビン詰めしたりロウソク作りをしたりで物足りなければ、防護服を着てハチの巣からミツを採る作業を手伝うこともできます。年末には、お好みのモミの木を選んで、わが家のクリスマスツリーに持ち帰ることもできます。

 このほか、セントラルインディアナにはワイナリーも多いので、こちらはお子様抜きでツアーを楽しんでください。ただし、車で行かれるのなら、ドライバーは規定以上に飲酒しないよう、お出かけ前からきちんと計画を立てておきましょう。ワイナリーの場所は、インディアナポリス・e-マップでご確認ください。