世界三大自動車レース


 インディアナポリス500(インディ500)の開催日は、例年5月末。メモリアルデー連休の日曜日に、一周2.5マイル(4.03q)を200周、約3時間かけて全長500マイル(806q)を競う過酷な自動車レースです。非公表ながら観客数は27万人を超えるといわれており、1日のスポーツ・イベントとしては世界最大…F1モナコ・グランプリやル・マン24時間耐久レースと合わせ、世界三大自動車レースに数えられています。

開催時期

三大レース

第一回

車両タイプ

レース場

一周

コースの長さ

5月中~下旬

F1モナコGP

1929年

フォーミュラ

公道(コーナー19)

3.33km

260km(78周)

160km

280km

メモリアル連休

インディ500

1911年

フォーミュラ

オーバル・コース

4.03km

806km(200周)

354km

370km

6月夏至前後

ル・マン24時間

1923年

プロトタイプ/GT

公道(コーナー38)

13.6km

3名交替24時間

240km

330km

 そもそも自動車レースは、写真のように、走る車のタイプで、1座席のフォーミュラ(オープン・ホイール)、2座席のプロトタイプ、市販車を改造したツーリングカーの3種類に分かれるのですが、ご存じでしたか?

フォーミュラの例

ルノーF1(2002)

プロトタイプの例

ポルシェ956(1985)

ツーリングカー(GT)の例

トヨタ・カムリ


インディアナポリス・モータースピードウェー


 レース場にも2種類あります。ヨーロッパのファンは、公道もはじめヘアピンカーブや高低差があって多彩な運転技術が求められるコースが好みますが、アメリカ人はすっきりと楕円(オーバル)で、とにかくスピードが出るコースが大好きです。そもそもは、インディ500の舞台インディアナポリス・モータースピードウェーとともに育った性癖なのでしょう。

 このレース場ができたのは1909年。まだ、アメリカに自動車大衆化時代をもたらしたT型フォードの生産が前年に始まったばかりのことでしたから、正に時代の先端を走る娯楽施設だったに違いありません。

 真上からの航空写真(右)で、ゴルフ・コースが隣接しているのがお分かりになりますか?もっと目を凝らすと、一部のホールがサーキットの中にあるのも見えませんか…ちょっと変わっていますね。1994年に米シニア・ツアーで活躍していた青木功選手が、レキシントンのカーニーヒルズからこのブリックヤード・クロッシングに転戦して、2週連続優勝を果たしました。パブリックですから、皆さんもプレーできるはずです。

 楕円のコースの中にカーブの多いバイパス(点線)が通じていますが、これはヨーロッパ主導のF1世界選手権のレースをアメリカに呼び戻すために作られたUSグランプリ専用のコースで、全長は2.6マイルと「インディ500」に比べ多少長めです。USグランプリは、2000~07年までインディアナポリスで開催されました。その後お休みして、また2012年に復活しましたが、会場はテキサス州オースティンに移りました。