デトロイト観光・e-ガイド (印刷ページ)

⇒元のページに戻る

ミッドタウンとM-1ウッドワード・アベニュー

★文教センター ★歴史的な住宅街 ★イーストサイドの教会 ★ウッドワード・アベニューの教会

★ニューセンター ★モータウン博物館 ★デトロイト動物園 ★クランブルック学園


Wayne State University

@Detroit Science Center

ADetroit Institute of Art

BMuseum of African American History

CDetroit Historical Museum

 ミッドタウンは、北をI-94、西をM-10、東と南をI-75に囲まれた一帯で、南北のウッドワード・アベニュー(M-1)と、東西のワレン通りとマック通りで6つの地域に分けられます。北端はダウンタウンのグランドサーカス公園からピッタリ2マイル(3.2q)の距離で、その北に副都心のニューセンターがあります。

=== ≪文教センター≫ ===

 ミッドタウンの北西コーナーはウェイン州立大学のキャンパス。アートセンターと呼ばれる北東コーナーと二つ合わせて文教地域…美術館と三つの博物館(サイエンスセンター、黒人史博物館、歴史博物館)があります。

 現代美術館(D)だけは少し南のメディカルセンターという医療機関が集中している地域。

=== ≪歴史的な住宅街≫ ===

 向かいのレストラン「ホイットニー」は、お料理もさることながら建物が有名です。材木王ホイットニーが1894年に40万ドルをかけて築いた豪邸。現代の貨幣価値に換算するなら、1千万ドルは下りません。 

Restaurant " The Whitney"

Ste. Anne de Detroit Catholic

Brush Park Historic District

 このあたりには、文化財の指定を受けた歴史地区が多く、歩いて眺めるだけでも観光になる邸宅がたくさん並んでいますが、中でも有名なのが「ブラッシュパーク」。エドモンド通りから南に下っていくのがお勧めコースです。

≪イーストサイドの教会≫

 ダウンタウン西の聖アン・デトロイト教会は、全米で2番目に古い現役カトリック教会。1701年、キャディラックのデトロイト2日後に建設が始まりました。現在の建物は3代目で、場所も移って1887年に建て替えられたものです。

East Side

M-1 Woodward Avenue

 デトロイトは、19世紀前半まではほぼ英仏系の住民が占めていましたが、1860〜90年にドイツ系とポーランド系の移民が相次いでやってきました。

 ドイツ系移民は、ダウンタウンに近いイーストサイドに入植して教会を建てました(D〜F)。後から来たポーランド系移民は、ドイツ語なら英語より分かるので、イーストサイドに入植して、しばらくドイツ系カトリック教会のお世話になりました。1880年代には北寄りに自らの教会(@〜C)を構えるようになります。

=== ≪ウッドワード・アベニューの教会≫ ===

 M-1のウッドワード・アベニューも、パイエティ・ヒル(Piety Hill=敬虔な丘)と呼ばれるほど教会が多いところで、M-1がオールアメリン・ロード(国立景勝バイウェーの上級ランク)に指定された理由の一つに違いありません。マイル道標の起点…ダウンタウンのグランドサーカス公園に面する「セントラル・ユナイテッドメソジスト教会」に始まり、6マイルロード手前の「ソウルハーベスト・ミニストリーズ」まで歴史文化財の指定を受けた教会の数が21。つまり、450mごとにに立派な教会を観光できる計算です。

(左上)Fisher Building (右下)Cadillac Place (⇒拡大)

 ダウンタウンのデトロイト‐ウィンザー・トンネルの入口にある船員教会(マリナーズ・チャーチ)は、1842年に五大湖を行き交う船の乗組員のために特別に設けられた教会です。厳密にいえば、ウッドワード・アベニューの南端から少し外れていますが、通常は、この教会も仲間に入れて、パイエティ・ヒルの教会数は22と数えます。

=== ≪ニューセンター≫ ===

 ニューセンターは、1920年代に開発されたデトロイトの副都心です。中心は、1923年から96年までGMが73年間本社ビルとして使っていたキャディラック・プレースと、フィッシャー車体(GM社内部門)が使っていたフィッシャー・ビルで、今はミシガン州政府が入居しています。地上から写した画像では周辺の様子が分かりにくいので、Googleマップの3Dでごらんください。

 1908年に世界初の量産車T型フォードが生まれたピケット街のフォード工場は、すぐそばです。1890年代に、シカゴ行きの鉄道と、ミシガン湖をフェリーで渡ってミルウォーキーに向かう鉄道のジャンクションができて、初期の自動車工場はピケット街の付近に集中することになりました。

 キャディラック・プレースの裏にあるアムトラックの小さな駅は20年ほど前に設けた実用本位の駅(Amtrack Detroit Station)で、歴史的な意味はありません。先代のミシガン・セントラルステーション(Michigan Central Station)に比べると、まるで「月とスッポン」。隔世の感があります。

=== ≪モータウン博物館(ソウル・ミュージック)≫ ===

愛称 Hitsville U.S.A

Motown Records のヒット曲

シンガー YouTube 動画

Supremes

Stop! In the Name of Love (1965)

Temptations

My Girl (1965) 

Four Tops

Reach Out (I'll Be There) (1967)

Jackson Five

ABC (1970)

Stevie Wonder

Superstition (1972)

 デトロイトはモーターシティ(自動車の町)、またはモータウン(Motown)との愛称で呼ばれることがありますが、そのデトロイトで生まれたモータウン・レコーズが1960年代のアメリカ音楽界にソウル・ミュージックのブームを起こしました。

 モータウンの創業者ゴーディ(Berry Gordy Jr.)は黒人起業家としても先駆者です。手っ取り早いお金儲けのため高校を中退してボクサーを目指しましたが、道半ばで徴兵されてしまいました。

Jackson 5 TV Special 1972

Jackson 5

The Supremes 1966

Supremes

 朝鮮戦争が終わって帰国したゴーディは、一転して音楽プロデューサーを志します。1957年からの2年間に妹たちと共作した曲がヒットし、それを元手にレコード会社を設立したのです。モータウン・レーベルの初期のヒット曲の中で「マネー(バレット・ストロング歌)」や「Mr.ポストマン(マーベレッツ歌)」は、ビートルズも歌っているのでご存知の方も多いことでしょう。

 デトロイトに黒人が増えたのは、1910〜30年代の第一次黒人大移動の時代。南部諸州の160万人の黒人が、人種差別や綿花畑の病虫害の危機から逃れて中西部や東部・西海岸の大都会に移住してきました。デトロイトの自動車産業が、ちょうど労働者を必要としていた頃のことです。

 モータウンの本拠は1972年にロスアンゼルスに移転しますが、ヒッツビルUSAの愛称で市民に親しまれているモータウン博物館こそ60年代にシュープリームズやジャクソンファイブなどのスーパースターを生み出したスタジオ…2009年にマイケル・ジャクソンが亡くなってしばらくは献花に訪れる人々の足が絶えませんでした。

=== ≪デトロイト動物園≫ ===

Rackham Fountain

 デトロイト動物園は、ウットワード・アベニューの10マイル地点…I-694のExit16を下りた所にあります。園内の案内図はこちら。下の地図と比べて、ごらんください。

 入場してすぐの蝶園と鳥類園の建物には、海洋大気圏の科学(Science on the Sphere)という大きな地球儀(Science on the Sphere)があって、地表の様子を宇宙から見るようにハリケーンの発生などを映し出します。園内は広いので、お子様連れならトーバー・ファミリー鉄道(Tauber Family Railway)を利用しましょう。

 呼び物は、ホッキョクグマやアシカの泳ぎを下から見上げる水中トンネル。柵なしにカンガルーを見たり、キリンにエサをやったり、冬なら雪の中でトラやラクダが日向ぼっこしている光景が見れるかもしれません。フォード教育センターには、ワイルドアドベンチャー・ライドという乗り物(Wild Adventure Ride)があります。

=== ≪クランブルック学園≫ ===

Cranbrook Art Museum

Cranbrook Art Museum

Cranbrook House & Garden

Cranbrook House & Gardens

Cranbrook School

 クランブルック学園は、幼稚園と小中一貫教育の私立の名門校です。併設の美術学校は、日本人の卒業生も含め、著名な建築家や園芸家、陶芸家を多数輩出しています。

 でも、それを聞いて「部外者お断り」と思い込むと、美しい邸宅と庭園(Tauber Family Railway)を見逃してしまいます。広大な敷地内には、ほかに美術館と科学博物館があって、一般公開されていますから、是非お立ち寄りください。

 美術館(Cranbrook Art Museumでは、彫刻をはじめ現代的な造形作品が面白いでしょう。科学博物館(Cranbrook Institue of Science)は、自然科学系の標本ばかりでなく、世界中の文物を幅広く収集して展示しています。天文台とプラネタリウムもあります。