コロンバス(オハイオ州)e-ガイド (印刷ページ)

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コロンバスの観光と行楽

★ダウンタウンナショナルロード ★ショートノース  ★ジャーマンビレッジ ★オハイオ州立大学と周辺 ★郊外の行楽地


===== ≪ダウンタウン≫ =====

 ダウンタウンは一周6マイル(10km)の高速道路に囲まれたエリアで、オハイオ州議会議事堂オハイオ・シアター(コロンバス交響楽団本拠)のある心臓部は馬蹄形に屈曲したサイオト川の東岸です。ダウンタウンの象徴ラベックタワーは、47階建てでアールデコ調の美しい高層ビルです。1927年の創建で、ニューヨーク‐シカゴ間で最も高い摩天楼と呼ばれた時期もありました。現在、サイオト川の川底を浚渫し両岸に緑地を設ける大プロジェクトが進行中…サンタマリア号(コロンブスの探検船の複製)もついでに修理中ですから、しばらくはごらんになれません。2016年中に川に復帰させるつもりですが、新係留地は対岸のCOSI(Center of Science and Industry)お子様連れのご家族に評判のいい科学産業センター付近になるかもしれないそうです。

 ダウンタウン北部はアリーナ地区と呼ばれ、コンサート会場LC パビリオンのほかに、スポーツ会場が集まった地域です。アメリカ4大スポーツのトップリーグで、コロンバスに本拠を置くのはNHL(アイスホッケー)のコロンバス・ブルージャケッツだけで、野球は大リーグの一つ下スリーAのコロンバス・クリッパーズ。アメフトやバスケがなくては寂しいとお思いかもしれませんが、代わりに大学スポーツの強豪オハイオ州立大学がいるので不足はありません。

 ダウンタウン東部はディスカバリー地区。ピカソ、ドガ、マチスなど日本人好みの画家の作品が多いコロンバス美術館や、スーラの名画「グランドジャット島の日曜日の午後」をモチーフに造園されたトピアリー庭園など文化的な施設があります。バレー団バレー・メット・コロンバスのチケット売り場兼練習場もこちらですが、一般公演は別会場です。

===== ≪ナショナルロード≫ =====

Franklin Park Conservatory

 ダウンタウンを東西に貫くブロードストリートは、19世紀初めに建設された首都ワシントンとセントルイス方面を結ぶアメリカ初の国道ナショナルロード(現在は国立景勝バイウェー)の一部です。フランクリン公園の植物園や蝶園は、1893年のシカゴ万博に刺激されて建てられたビクトリア調のガラス張りの温室で、由緒ある豪邸が立ち並ぶイーストブロードストリート歴史地区。ずっと先ですが、コロンバスから65マイル(104km)東のナショナルロード- ゼーン・グレイ博物館に行くと、当時の幌馬車など西部開拓史の遺産をごらんになれるでしょう。

===== ≪ショートノース≫ =====

コロンバスの象徴 アーチ

 コロンバスは「アーチの市街(Arch City)」の愛称で知られていますが、そのアーチはダウンタウンの北のショートノース…数多くの画廊が並ぶアート地区にあります。もっとも、これは2002年に再建された鋼鉄製の装飾用アーチで、オリジナルの木製アーチは1914年に壊されてしまいました。20世紀の初頭には、アーチが夜のハイストリート(High Street)をライトアップし、アーチから吊り下げられた架線で路面電車が走っていたのだそうです。

 その東西は19世紀のコロンバス郊外に最初にできた住宅街で、西のビクトリアンビレッジには、ビクトリア様式のほか、イタリア風アン女王様式、第二帝政様式等々アメリカ住宅の様々な建築様式が凝縮されています。南東角のグッデール公園では、1972年以来、毎年6月にコムフェスト(ComFest)という地域コミュニティの無料コンサートが開かれるようになりました。東のイタリアンビレッジでは、1890年代にイタリア系移民が増え、街並みもイタリア風に変わりました。

===== ≪ジャーマンビレッジ≫ =====

German Village

 ドイツ系アメリカ人は市民の約2割と中西部の都市の中では多い方ではありませんが、ダウンタウンの南にはジャーマン・ビレッジというドイツのコピーのような街並みがあります。二度の世界大戦でドイツが敵視されたため、一時は市民にうとまれる存在だったようですが、今ではコロンバスの観光名所の一つです。

 聖マリア教会があるサードストリートを中心に、赤レンガの頑丈な建物が立ち並んでいます。南端にドイツの詩人の名をとったシラー公園(Schiller Park)があり、野外劇場では、夏の間、入場無料のシェークスピア劇を楽しむことができるそうです。

 シュミッツ・ソーセージハウスは、ソーセージの本場フランクフルト付近から渡米した移民1世が1886年に創業した食肉加工屋が前身で、古くからイベントに屋台を出店していました。現在のレストランは1967年に開業、屋台トラック毎日市内各所を回ってソーセージを売っています。

 ブルワリー(ビール醸造所)歴史地区はその西で、昔はビール醸造所がひしめいていた地域です。1919年に禁酒法で酒類の生産が禁止されてから、コロンバスに醸造所が復活することはありませんでした。しかし、今では逆にビールを大量に消費する若者向きの歓楽街に生まれ変わりました。有名なお店は、ワーリー・ビルグレッソズハイ- べック・タバーンなど。

===== ≪オハイオ州立大学と周辺≫ =====

 オハイオ州立大学(Ohio State University)構内のウェックスナー・アートセンター(Wexner Center for the Arts)はモダン・アートの発信地です。

「Dotting the "i"」のジャック・二クラウス

 大学構内の北端にはコロンバス生まれのゴルフの王者=ジャック・二クラウス博物館(Jack Nicklaus Museum)もあります。場所はキャンパスから離れますが、毎年メモリアルデーの翌週に当る6月の第1週には、二クラウスがホスト役をつとめるPGA公式戦メモリアル・トーナメントがダブリンのミュアフィールドヴィレッジ・ゴルフクラブ(Muirfield Village Golf Club)で開催されます。2014年の大会では、日本の松山英樹選手がPGA初優勝を遂げました。

「Dotting the "i"」 (⇒拡大

 オハイオ州立大学のアメフトは、最近では2002年、通算で7回目の全米制覇を成し遂げた名門です。本拠はオハイオ・スタジアム。試合では、マーチングバンドの隊員がフィールドに「ohio」の人文字を描き、「i」の点の位置には有名人を招く「ドッティング・ジ・アイ(i に点を打つ)」のが恒例ですが、左の写真は二クラウスが母校の名誉ある「i」の点になったときの様子です。オハイオ州立大学バスケの本拠は、ショッテンスタイン・センター。こちらも強豪です。

 オハイオ州立大学の少し東には、オハイオ州ステートフェア会場のオハイオ・エキスポセンターがあります。そのそばには開拓時代の歴史村オハイオ村MAPFREスタジアムはサッカー大リーグのコロンバス・クルーズ本拠地。

 オハイオ州立大学の西のアッパーアーリントンには、オハイオ工芸博物館があります。

===== ≪郊外の行楽地≫ =====

 コロンバスの動物園(コロンバス動物園&水族館=Columbus Zoo & Aquarium)は、雑誌によってはアメリカ一の動物園にランクするほど立派な動物園で、生息域別に7百種超の動物9千頭以上を展示しています。年間入場者数は230万人。隣接地にはズーンベジベイ・ウォーターパークがあります。

 オハイオは各地でチョコレート作りが盛んですが、コロンバスの地場チョコはアンソニー・トーマス・キャンディ…工場見学はいかがですか?大人向けのオプションには、ワイアンドット・ワイナリーの醸造所見学もあります。

 農園・農場めぐりなら、チェリーホーク・リンゴ園ストラッドフォード・エコロジカルセンター。小粒ですが、ちょっと珍しいのはグローブシティーのハーブ園(Gantz Farm)。

 モータースポーツにご興味がある方には、ピッカリントンのモーターサイクルの殿堂博物館…本田宗一郎氏も、もちろん殿堂入りしています。