ガソリン価高騰…有効な節ガス対策は?
プレミアム(ハイオク)は一般車には有害無益です
日本でもガソリンの値がリッター150円を超えたと騒いでいますが、上昇率ではアメリカの方が何歩も先を行っています。私たち夫婦が12年前に赴任した頃から5、6年の間はガロン1ドル前後を行き来していたのですが、イラク戦争の開戦を前に上がり始め終戦処理の失敗が明らかになるとともに黄信号のガロン2ドル、ハリケーン・カトリーナの襲来で一気に赤信号のガロン3ドル…4年で何と3倍です。アメリカのガソリンは日本でいえば電車賃。アメリカ市民に代わって、私も「HELP!!」。
それでも、昨年と一昨年は冬が来るたびガロン2ドル近くに値を戻していたのですが、今年は9月から再上昇の勢い。この分では、来夏にはガロン4ドルを突破するに違いありません。ドル安が進めば、3倍以上あった日米のガソリン価格差も胡散霧消してしまいそうです。原因はサブプライム・ローンの焦げ付きで行き場を失った投機資金や年金資金が流れ込んでいるからと言われていますが...。
そんな時代ですから、少しでも節約したいガソリン代。「プレミアム・ガソリンに替えて燃費が向上したら少し得?」と考えている方はおられませんか?ガソリンについて詳しくない皆さんに説明しますと、(ディーゼル車が使うディーゼル油を除き)一般のガソリン・スタンド(ガス・ステーション)では@レギュラーAミッド・グレード(プラス)Bプレミアムと3種類の油種を売っていて、それぞれの選択ボタンのそばに数字が表示されていますが、これがオクタン価(そもそもは2種類のオクタン成分の比率を表していましたが、現在は安定して燃える性能を示す指標として使われています)です。
(注)石油からは精製方法によって様々な炭水化合物(炭素と水素が結合した分子)が生まれます。オクタンは8本足のオクトパス(=たこ)から連想されるように、8個の炭素と12個の水素が結合した分子です。プレミアム・ガソリンは、高オクタン価ガソリンを略して日本ではしばしば「ハイオク」と呼ばれています。
私たち夫婦愛用のスーパーのガソリン・スタンド
左からレギュラー/ミッド・グレード/プレミアムの順でボタンが並んでいます。写真右手の@番の箇所でスーパーの会員カードをスキャンすると、それだけで通常価格より3セント引き、スーパーで100ドルの買物をするごとに10セント引き、スーパーのクレジット・カードを使って100ドル買物をするごとに15セント引きの特典があります。身近で簡単に使える割引制度を探して、生活防衛のため頑張りましょう。 |
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オクタン価の数値は、地域やガソリン・スタンドの系列によって微妙に違うようですが、ケンタッキーの周辺ではレギュラー87/ミッド・グレード(プラス)89/プレミアム91〜93が一般的かと思います(日本ではレギュラー90〜92、プレミアム98〜100が普通)。ガロン当りのお値段は、プラスがレギュラーより10セント、プレミアムは20セント高いだけですから、3ドル時代ともなると価格差はあまりないような気にもなってきます。そこで「燃費がよくなるなら、プレミアムを入れた方が安上がりかも?」、あるいは「プレミアムなら、給油回数を減らすことができるかも?」と考えがちですが、ちょっと待ってください。
オクタン価は、前述の通り、ガソリンの安定燃焼の指標=言い換えれば「ノッキング」を防ぐ性能なのです。「ノッキング」などという言葉は、物心ついた頃にはオートマ車だらけという世代の皆さんには死語になっているのではありませんか?昔の車は意地悪で、初心者がクラッチを操作すると「カクン、カクン、プスン」、いとも簡単にエンスト(Engine
Stall)したものでした。
ですから、オクタン価が高くても燃費は向上しません。一般車は、その土地のレギュラー・ガソリンで最適走行するように設計されているはずですから、プレミアム・ガソリンに替えるメリットはありません。ただ、大型SUVや輸入車の中にはプレミアム・ガソリン専用車がありますから、購入時に仕様をしっかり確認してください。ノッキング防止機能が装備されている最近の車には、もちろんノッキング対策も無意味です。
逆に、プレミアム・ガソリンに替えるとデメリットがあるかもしれないと言われています。人間なら、カロリーの取り過ぎでコレステロールがたまってしまうようなものでしょうか、燃え残りのカーボンがエンジンを汚してしまう副作用があるようです。清浄効果を強調して宣伝するプレミアム・ガソリンもありますが、コレステロールを下げる薬のようなもので、そもそも食べ過ぎないのが一番です。
さて、本当に役立つ「節ガス」対策を探しているうちに、ちまたで信じられている「節ガス」対策を個別に検証したホームページを見つけました。新車、中古車の市場価格を調べる「edmunds.com」の「節ガス」のページです。
@検証対策:
急加速や急停止を避け、上品に運転しましょう。
検証結果:
◎最重要ポイントです。最大37%、平均31%の節約になります。
お勧め策:
自分のテクニックに酔いしれるような運転はやめましょう。
A検証対策:
ゆっくり走りましょう。
検証結果:
○長距離運転では極めて重要です。最大14%、平均12%の節約。
お勧め策:
制限速度を守って走りましょう。
B検証対策:
クルーズ・コントロールを使いましょう。
検証結果:
○予想以上に効果がありました。最大14%、平均7%の節約。
お勧め策:
皆さんの車にクルーズ・コントロールがあれば、なるべく使いましょう。
C検証対策:
窓を閉め、エアコンを使わずに走りましょう。
検証結果:
X
(サンルーフを開けて運転しない限り)目立った違いはありません。
お勧め策:
快適な状態で、ドライブをお楽しみください。
D検証対策:
タイヤの空気圧を適切に保ちましょう。
検証結果:
X (安全運転には重要ですが)節ガス面で顕著な違いはありません。
お勧め策:
空気圧は頻繁にチェックしましょう。ただし節ガスの効果は?。
E検証対策:
(交差点などで)無駄なアイドリングは避けましょう。
検証結果:
○予想以上に重要でした。19%の節約になります。
お勧め策:
1分以上停車する際には、エンジンを切りましょう。
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