重い、うるさい、吸い込みが悪い…アメリカ製クリーナー
正解のないアメリカの電気掃除機選び
我が家の掃除機
左から日本製/日本製(米仕様)/米国製
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自動車の技術開発を怠ってきたGMがアメリカ人にも非難されるようになった今日この頃ですが、アメリカの家電製品も50歩100歩…かれこれ50年の間、ほとんど進化していないのではないでしょうか?北米暮らしも20年近くなると、冷蔵庫や洗濯機と乾燥機などは外見が立派でも性能や使い勝手に大差なし…と悟りの境地に達してくるものですが、掃除機だけは種類が多いので一言で簡単に片付けるわけにはいきません。これから渡米して来られる皆さんのために、「ベスト」は探しても見つからないのかもしれませんが、せめて「サイアク」をつかまないように研究してみましょう。
アメリカ各地の日本人主婦のブログには「重い、うるさい、吸い込みが悪い」とアメリカ製掃除機(Vacuum
Cleaner=真空掃除機)の悪口がいっぱいですが、どうやら、アメリカ人の主婦も「うるさい」を除いて、同じ悩みを抱えているようです。ちょっと投稿サイトをのぞいてみましょう。
フーバーの自走式掃除機をほめる投稿(要約)
我が家では、20年前に家を建てた時に、最新の集中清掃システム(Central
Vacuum System)を入れたんです。
おかげで、お掃除中の移動はホースを持ち運ぶだけで済みますから、とても楽になったんですけど、カーペット掃除だけは駄目でした。モーターが地下室にあるので、2階の部屋をきれいにしたり(1階でも)ペットの毛を吸い取るには少し力が足りません。
しばらくして、キャニスター型(日本に多いホース・タイプ)の掃除機を購入して補助用に使うことにしたのですが、階段を上下するのがたいへんでした。
そこで、最近ですが、もう1台、今度は縦型の掃除機を買って来ました。自走式で、毛の長い絨毯でも、しっかりきれいになります。今では、キャニスター型は2階、人の出入りが多い1階は縦型の掃除機と使い分けています。
生活習慣の違いも踏まえて、投稿の趣旨を解釈するとこうなります。
@アメリカ人は家の中を土足で歩くので、カーペットの裏の土ぼこりまで強力に吸い取る縦型の強力な掃除機が好まれる。
A縦型の掃除機なら、自走式でないと軽く動かせない。
B体格がいいアメリカ人主婦にとっても、アメリカの掃除機は、キャニスター型でも重くて持ち運びに不便。
C掃除機が何台あっても、クローゼットなど格納スペースには困らない。
ダイソンの縦型 |
私たちも、掃除機選びでは失敗しました。日本から持って来た掃除機の力ではカーペットに効かないと考えて、デパートで「なるべく軽くて吸引力が強い掃除機」を勧めてもらったのですが、吸引力最強で厚いカーペットを掃除しようとすると、家内の力ではヘッドがビクとも動きません。男の私でも、しっかり腰を入れて動かさないと(誇張なしに)ぎっくり腰をやりかねない吸引力です。
日本の掃除機を使うには、一緒に重い変圧器を持ち運ばなければならないので、我が家では通信販売でアメリカ仕様の日本製掃除機を買って、結局のところ計3台…日本製は各階の日常用、アメリカ製はカーペットの大掃除用と使い分けることになったのです。
フロアが板敷きなら日本製で全く問題ありません。本格的なカーペットクリーニングなら、業者に頼むこともできます。住む家の大きさと構造、皆さんの生活習慣などによって、どんな掃除機がいいかは違ってきますから、ご購入の際には、ご自身の勝手をよくご検討ください。アメリカ人の店員さんに相談しても、日本人のニーズはなかなか理解してもらえません。
日本で評判のダイソンの掃除機にしても、アメリカには重たい機種も多いのでお気をつけください。
ちなみに、日本の標準的な掃除機の重さは5〜6sで最大出力が600ワット以下。アメリカの掃除機の重さは21〜22ポンド=約10sで、標準的なアンペアに電圧110ボルトを掛けると約1300ワットとなりますから、重さも最大出力もほぼ2倍と考えてはいかがでしょう。
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