海外赴任、留学、国際結婚…北米に住む日本人の皆さんのアメリカ生活をゆたかにするメールマガジンです。四季折々のタイムリーな話題や各地のお買物や観光の情報をお届けします。検索ボタンで姉妹サイト「アメリカ生活・e-百科」のワード検索も一緒にできます。

発行者: KJBusiness Consulting, LLC  電話:(859) 223-6449 Eメール:info@jlifeus.com  HP:www.jlifeus.com

2011年10月15日(第64号)


お支払いは、変動レートと固定レートどちらがお得?

 オイルシェール開発でガス暖房は今冬も安上がり!!

 わが家はガス暖房。

昨年も一昨年も寒い冬で、ガス使用量が増えたために、支払額はさほど減りませんでしたが、、2009年からガス料金が劇的に値下がりしています。

 右のグラフは、ニューヨークの商品相場の値動きですが、末端価格も同様で、私たちが住むケンタッキー州レキシントンでは、2008年12月に千立方フィート当たり$13.2687だった価格が

ペンシルバニアのガス井

1年後には$4.3688と1/3に下がり、その後も安定して千立方フィート当たり5〜6ドル台をキープしています。

=== ガス暖房と電気暖房 ===

 昔は「ガスの方が暖まる」との俗説によりガス暖房が優勢でしたが、2005年にガス代が高騰してから新築の家は軒並み電気暖房になりました。

 そこで、新規赴任の駐在員の皆さんの中にも、電気暖房の貸家を探し回っている人がおられるかもしれませんが、(正確な比較は難しいとしても)もう電気暖房の方が安いとはいえません。

Figure f. Map of 48 major shale basins in 32 countries.

 さて、ガス料金が安いのは、ここ2〜3年の短期的な現象かというと、決してそうではなさそうです。アメリカの地下深いオイルシェール層に膨大な量の天然ガスが眠っていることが分かったのもごく最近のことですが、2008年に誕生したオバマ政権がクリーンエネルギー政策の柱の一つとして天然ガスの採掘を奨励したからです。天然ガスは、石油に比べ約3割二酸化炭素の排出量を減らすことができます。

 オイルシェールは、無理に日本語書きすると油頁岩(ゆけつがん)といって、石炭の薄片を何枚も何枚も積み重ねたような油分や天然ガスを大量に含む堆積岩です。

 特に大開発が行われているのが、ペンシルバニアのマーセラス層というオイルシェール…およそ4億年前のアパラチア山脈西の裾野が浅瀬だった時代に形成されました。2008年からの3年間にペンシルバニア州だけで2516本のガス井が掘られ、数年もすると10万本に達するという予測もあります。

 本題から逸れてしまうので、詳しくは説明しませんが、天然ガス開発がクリーンどころか、深刻な環境被害を引き起こすというので議論になっています。岩盤を貫く際にディーゼル燃料を含む膨大な量の液体が使われ、地下の天然放射性物質を含む排水が地下水を汚染するおそれがあるのです。

=== ガス代の支払い方 ===

天然ガス購入先の自由化 

各州の具体的な事情は ⇒ Natural Gas Suppliers

 ところで、一般家庭でガス代の支払いをする際に、実際にガスを供給管理しているガス会社から買う方法と、ガス売買の専門会社から買う方法と2通りあるのをご存知ですか?

 右の地図で色表示した州では、消費者が、天然ガスの購入先を複数の中から選べます。ちょうど電話の契約が、電話線の管理会社以外と結べるようなものです。

 ケンタッキーでは、2001年、ガス代が急騰した時期に自由化され、私たちも、1年固定レートで契約すると10%安くなるといわれ、別会社に切り替えました。

 しかし、ガス代が昔のように安い時代になって、事情は一変しているようです。私たちのようにアメリカに長く滞在している皆さんの中には、同じように契約を切り替えた方もおられるかもしれませんが、それならば、ガス供給管理会社の変動レートと、ガス売買専門会社の固定レートを、あらためて比べてみてはいかがでしょう。私たちが住む地域では、千立方フィート当たり2ドル近く固定レートが割高になっています。

 固定レートといっても、ガスの使用量は冬に増加しますから、毎月のガス代は大きく変動します。毎月、同じくらいの金額をお支払いになりたい方は、ガス会社が「フラット・フィー」というプログラムを提供していないかご確認ください。普通は、毎月、年間予想使用量の1/12の代金を払い、1年後に差額を清算するシステムです。 

指定したサイズでウインドウを表示