オフのゴルフ研究A…正しいグリップはあなたのフォーム次第
300ヤード越えにはデイリー・さくら型スイングがお勧め
フォームを矯正するなら、シーズンオフの冬の間がチャンスです。筋力の維持強化も重要です。来季に向けて、屋内練習場に出かけましょう。
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理想のドラコン・スイング ===
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オフのゴルフ研究」…前回は、1スイングで、ドライバーをしっかり2周振り切るリズムを覚えていただきましたが、いよいよ今回は「ドラコン」スイングへの挑戦です。まず、ドラコン世界選手権に過去5回も優勝した実績があるズーバック選手(⇒ホームページ)のスイングをごらんください。
ズーバック選手は両足を大きく開いて、両膝どころか、両足首まで使って下半身の回転を大きくしていますが、そこまでではないとしても、ジョン・デイリーや横峯さくらは、よく似たスイングをしています。
上のデイリーのビデオは短いクラブを使用しているのではっきり分かりませんが、ドライバーショットでは3人とも左腕がクラブが1直線に近くなるまで伸ばして、特大の弧の遠心力で振り切っているのが特長です(⇒デイリーのドライバーショット)。
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スイングのフォームとグリップの関係 ===
ちょっと曲芸的スイングに見えませんか?実際、デイリーは、しばしば大崩れすることでも有名な選手ですから、他のスイングより難度が高いことは事実。何しろグリップの位置は標準的な「アゴの下」ではなく、顔より先に突き出さなければならないのです。
ここで、とりわけ注目したいのは、肩と両腕が作る三角形とグリップの関係です。まず、最良のグリップとは唯一ではないことをご理解ください。グリップは、スイングのフォーム次第で変わるもの…ゴルファーは、グリップを決める前に、自分が目指しているのはどんなスイングなのか、しっかり意識することが肝心です。
下の表では、3つのスイングについて説明しました。一番左の列は、最初から最後まで、腰の位置を左右に移動させないコンパクトなスイングです。アップライトで、膝を柔軟に使うジャック・ニクラウスのスイングが一つのお手本で、グリップはウィークグリップ。つまり、ウィークグリップを言い換えれば、力が強くて腰を高速回転させることができる人でなければ飛距離を稼げないグリップです。
真ん中の列は、レッスンプロの神様デビッド・レッドベターも勧めるアマチュアには理想的なスイング。バックスイングでは、回転とともに腰の位置が右に移動するスイングで、ストロンググリップがお勧めです。前回ご紹介した98年当時のタイガーのスイングもこの部類に区分できます。
(注)最近はゴルフクラブが進化して、身体が大きい選手なら無理に飛距離を伸ばす必要のない時代。タイガーも含めて世界のトッププロは、バックスイングでは腰を移動させずに回転させるスイングを好んでいるようです。ただし、グリップはストロンググリップ。ダウンスイングでは、左に踏み込んで腰を移動します。
最も右の列が、冒頭でご紹介したドラコン・スイング。ハンマー投げのように、思いっきり遠心力を意識したスイングで、グリップもストロンググリップを超える(いわば)ウルトラストロンググリップです。このグリップなら、トップスイングまで手首をコックさせずに、さらに90度…デイリーや横峯さくらのように、クラブを背中に背負うようなエクストラな回転をつけることも難しくありません。
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3つのスイング例 ===
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ドラコン・スイングへの道 =======
何よりも大事なのは、前回ご案内したスイングのリズム…スムーズな体重移動で高さがある大きなトップスイングを作ることです。最初から、スイングのスピードを上げようとしなくても、きっと飛距離は伸びるでしょう。
前腕筋が強くないと、肩と両腕の三角形を保ったまま、ドライバーを90度後方に振り上げることはできません。両肩の筋肉が強くなければ、トップスイングで高く振り上げることもできません。最初のうちは、標準的スイングに近いところから始め、筋肉が十分鍛えられたところでドラコン・スイングに挑戦なさってはいかがでしょう。
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