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2012年3月15日(第69号)


竜巻は地下室でも油断禁物・ペットの持ち帰り花粉に注意

 各地の学校で、銃の乱射や暴発事件が多発

 アメリカ生活を存分に楽しむには、現地マスコミの報道に接してアメリカ文化を理解することも大切な要素です。日本人コミュニティの外に出ないと、時には暮らしの中で重要な情報を聞き漏らしてしまうこともあります。

 このコーナーでは、毎月、現地マスコミの動画ニュースの中から日本人の皆さんに身近な話題を選んで、日本語解説付きでごらんいただきます。


3月2日…EF4の竜巻ではレンガりの家もコナゴナに(竜巻対策)

昨年の動画から…今年も花粉の季節が始まります(花粉対策)

2月27日…オハイオの高校で乱射(各地の学校で銃関連事件)


3月2日…EF4の竜巻ではレンガ造りの家もコナゴナに

Early March 2012 Tornado Outbreak

West Liberty, Kentucky (EF3)

 先月号で「竜巻に注意!! 」と書いたばかりですが、今年は、史上まれなハイペースで竜巻が発生しています。先日は、インディアナの南部からケンタッキーの東部にかけて竜巻の大発生があり、41人が亡くなりました。

 動画ニュースでは、EF4(竜巻の強さ5段階の上から2番目)に襲われたインディアナ州ヘンリービルのレンガ造りの大邸宅がコナゴナになり、ガレキに埋もれながらも救出されて助かった奥さんがインタビューに応じています。

 自宅が竜巻の直撃を受ける確率は低く、中でもEF4以上の竜巻は全体の1%未満と限られていますが、性質が悪いのは、直前まで、どこに来るのか分からないことです。竜巻の平均時速は35マイル、早いものなら70マイル/時。闇に紛れて視認できない夜の竜巻はなおさらですが、昼間でも、こぶし大の雹や豪雨を伴うことも多く、徒歩にしろ車にしろ、走って安全な方向に逃げるのは困難です。

 動画の中で壊れた地下の様子を見ると、地下に避難しても必ずしも安全ではないことがお分かりでしょう。助かるためには、あらかじめ家の中で最も安全と思われる避難場所を決め、必要な装備を準備しておくことが大事です。

Westin Peachtree Plaza Hotel

Atranta, March 14, 2008

 一般に安全な場所は、最階下の階で、窓から十分遠いトイレやクローゼットなどを含む造りの堅固なスペースとされていますが、上の階に冷蔵庫や洗濯機、ピアノなど重いものや熱湯が詰まったボイラーがあれば危険です。

 できれば、丈夫な家具の下に、上図の例のように体を丸めて身を隠しましょう。布団や寝袋にくるまり、ヘルメットがあればかぶって頭部を守り、丈夫な靴を履いて、崩れたガレキの下から脱出する最悪の事態に備えます。

 職場では竜巻避難場所が指定されているはずですが、竜巻は都市を襲うこともあります。左の写真をごらんください。高層ビルでは、窓や外壁から離れた中央部の部屋に逃げなければなりません。

 近く、あらためて竜巻対策のガイドを編集するつもりですが、英語ながら、NOAA(アメリカ大気海洋庁)暴風雨予報センターの竜巻対策(Tornado Safety)が具体的で役に立つので参考になさってください。

 下の動画には、同じく3月2日にケンタッキーを襲ったEF3の竜巻が家の屋根を吹き飛ばす瞬間が映っています。EF3は竜巻全体の3〜4%、EF2は全体の約10%ですが、EF2以上なら、堅固な家でも屋根や壁が破壊されるものと覚悟してください。

 

West Liberty, Kentucky (EF3)

(オリジナルの動画が削除されたため別の動画に差し替えました)


昨年の動画から…今年も花粉の季節が始まります(花粉対策)

(オリジナルの動画が削除されたため別の動画に差し替えました)

 去年は花粉の当たり年と言われていたようですが、今年は暖冬でしたから、南部を中心に、もっと早く花粉の季節がやってくるかもしれません。今年のニュースを待っていては手遅れになってしまいますから、昨年のアトランタの様子を映した動画を探してきました。車のボディに降り積もった花粉…すごいですね。

 このニュースでお勧めしている花粉対策は、次の通りです。

@ 帰宅したら服を着替え、(アメリカ人は家で履いているので)靴も替えること。

A 家の窓は締め切っておくこと。

B エアコンのエアフィルターは、頻繁に取り替えること。

C シーツは、定期的に洗うこと。

D ペットは、外出の都度、身体を洗い、首輪やアクセサリーの花粉もふき取ること。


2月27日…オハイオの高校で乱射(各地で銃の事件が多発)

 2月27日、オハイオ州クリーブランド近郊の高校の乱射事件では、3人が死亡、2人が入院する怪我を負いました。乱射事件は、大小合わせると、全米で1〜2ヶ月に1件のハイペースで起きているようですから、またか…という思いもありますが、この2月から3月にかけて、小学校や高校で毎週のように銃に関わる事件が起きたのは異常です。

 2月10日 ニューハンプシャーの小学校のカフェテリアで14歳の少年が拳銃で自殺

 2月23日 ワシントン州の小学校で9歳の男の子が拳銃を持ち込み暴発

 3月6日  フロリダ州ジャクソンビルの高校でスペイン語教師が校長を射殺して自殺

 その後、皆さんご存知のように、3月8日にピッツバーグのクリニックで乱射事件があり、3月11日には米兵がアフガニスタンで乱射し16人の市民を殺してしまう大事件が起きました。

 日本でこんなニュースを聞くと、アメリカはどこにでも銃が転がっているおそろしい国のような気がしてしまいますが、実際に、皆さんや皆さんのお子様方は、どの程度、銃の危険にさらされているのでしょうか?

資料: 2001年のCDC(Behavioral Risk Factor Surveillance System)アンケート調査 (⇒拡大)

上は、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)がアンケート形式で調べた州別の銃器を所有している家庭の割合です。地図に示すと以下の通りですが、都市型の州では銃の所有率が低く、人口密度が低い過疎の州ほど所有率が高い法則があるようです。

銃器を所有する家庭の割合(⇒拡大

各州の人口密度(⇒拡大

 例外は必ずあるもので、心配したらキリがありませんが、地方都市でも、日本人の皆さんが住んでおられる犯罪発生率の低い地域では、ご近所で銃を所有している家庭はかなり少ないと考えてよいでしょう。