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2012年6月15日(第72号)


マイアミ猟奇事件の裏に合法ドラッグ「入浴剤」?

 歴史的脱獄50周年、歴史的少年失踪事件に進展

 アメリカ生活を存分に楽しむなら、たまには現地マスコミの報道を通じて、ナマのアメリカの日常に触れてみませんか。このコーナーでは、毎月、現地マスコミの動画ニュースの中から皆さんのご興味をひきそうな話題を選んで、日本語解説付きでごらんいただきます。


5月26日…33年前のNY幼児失踪事件で自称真犯人が自首

5月30日…マイアミ猟奇事件の裏に合法ドラッグ「入浴剤」?

6月11日…サンフランシスコの監獄島脱獄事件から50周年


5月26日…33年前のNY幼児失踪事件で自称真犯人が自首

 先月号では、33年前にニューヨークで起きた歴史的幼児失踪事件に関連し、今や繁華街のソーホー地区で地下室を壊す大捜索が行われたこと、しかし、エータン少年の遺体や手がかりは何も発見されなかったことなどお伝えしました(⇒先月号の記事)。

 それから1ヶ月、失踪事件からちょうど33年目の前日に、エータン少年を殺害して遺体を捨てた真犯人と名乗る人物が自首してきたので、ニューヨーク市警は大慌てです。4月の大捜索は、いったい何だったのでしょうか?

 自首したのは、51歳のペドロ・フェルナンデス容疑者。当時は19歳で近所の雑貨屋で働いていました。3時間半にわたる自白によると、フェルナンデスは、当日、エータン少年にソーダをご馳走してあげると言って地下室に連れ込んで絞殺、死体をビニール袋に入れて、どこか付近に捨てたのだそうです。

 フェルナンデスは、事件後、ニュージャージーに転居し、犯行から数年のうちに、家族や教会の友人に告白していたそうで、フェルナンデスの姉によれば、当時はニューヨーク市警にその旨を告げても全く相手にされなかったようです。フェルナンデスには妻子もいますが、ガンで余命はいくばくもないとか…。

 しかし、今となって、物的証拠が発見される可能性は皆無に近いことでしょう。まして、フェルナンデスには別の犯罪に関わった経歴もなく、動機も今のところ不明です。妄想癖があったとの証言もありますから、立証は非常に困難な作業になるでしょう。

 また、真犯人が名乗り出たことで、今までの警察の捜査や司法手続きの問題が浮かび上がってきました。特に、これまで本命視され続けてきたラマス容疑者は、現在、性的児童虐待の罪でペンシルバニア州の刑務所に収監されていますが、その間にエタン少年の両親に民事訴訟を起こされて敗訴、2百万ドルの損害賠償責任を負っています。今年11月にを刑期を終えて、出所する予定です。(⇒CBSニュース


5月30日…マイアミ猟奇事件の裏に合法ドラッグ「入浴剤」?

 マイアミで、白昼にホームレスが丸裸の男に襲われ、18分間にわたり顔を喰われるという事件が起きました。犯人は、その場で警官に射殺されましたが、ホームレスは顔の80%を食い尽くされて重体です(⇒ABCニュース)。

 これだけでも恐ろしい話ですが、もっと怖いのは、この猟奇事件の原因が、昨年からフロリダで流行っている合法ドラッグ(街で普通に売られている入浴剤)の服用が原因ではないかと疑われていることです。

 この「入浴剤」を飲んだ人は、まず服を脱ぎ、凶暴でキチガイじみた力持ちに変身します。大声で叫び、周囲が静止する言葉も耳に入らず、幻覚を見て人を襲ったり自殺しようとしたりすることが頻繁に起きるようです。

 サウスフロリダでは、「入浴剤」の服用による事件が昨年だけで数百件起きました。今回の動画の中では、自殺した少年の両親がインタビューに応じています。危ういところで取り押さえられたものの、今回同様、人の顔に噛み付こうとした事件も起きています。マイアミで有名なウルトラ・フェスティバルの夜にも、歩いていた男が、突然、服を脱いで(走り出したのでしょうか?)交通事故に遭いました…跳ねたタクシーの屋根に飛び乗り、乗客を殴りだして、駆けつけた15人の警官にも手がつけられない暴れぶりだったようです。

 困ったことに、市販の入浴剤には様々な成分が含まれているので、危険な化学成分を特定して禁止することが必ずしも容易ではないようです。日本の脱法ハーブ問題に似た状況かもしれません。


6月11日…サンフランシスコの監獄島脱獄事件から50周年

 5月27日、サンフランシスコの金門橋(ゴールデンゲート・ブリッジ)が開通75周年を祝いました(⇒ABCニュース)。

脱獄囚が牢に残した偽の首

 ところで、その金門橋からわずか4kmのサンフランシスコ湾内に、アルカトラズ島という有名な元監獄島があるのはご存知でしたか?この島に鉄壁の監獄があった29年間(1934〜63年)に繰り返された脱獄事件が14回。その中で、唯一、成功して逃げおおした可能性がある1962年の脱獄事件が発生して、こちらは6月11日に50周年を迎えました。日本で迷宮入りした3億円事件が起きる6年前のことです。

 脱獄を試みた囚人36名の大多数は、直ちに捕縛されたり、射殺されたり水死したりする運命をたどりましたが、5名だけは行方不明になっています。そのうち、1937年12月に脱走した2名は深い霧に紛れて監視の目をくぐって氷の海に飛び込んだものの、間違いなく凍死したものと信じられています。

 しかし、1962年に脱獄した3人については死体が発見されておらず、3人が死亡したという状況証拠もありません。今は「アルカトラズ島脱獄トライアスロン」という大会があるほどで、対岸に泳いで渡れない距離ではありません。時効はないので、3名は現在も指名手配中…生きていれば3人とも80歳代ですが、老化を考慮して修正した似顔絵がありますから、皆さんも身近に50年前の脱走犯が隠れてていないかチェックしてください。

 アルカトラズ島と旧監獄は、現在はゴールデンゲート国立保養区(レクリエーションアリア)の一部で、多くの観光客が訪れています。1979年には、クリント・イーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」で映画化されました。