シアトル・サンノゼ線(ANA)、ボストン・サンディエゴ線(JAL)
ボーイング787ドリームライナーが北米路線に続々
今年は、6月にJALボストン線、7月にANAシアトル線と、日米直行便の新路線が次々に開設されています。引き続き12月にはJALサンディエゴ線、新年1月にはANAサンノゼ線。いずれの路線にも、ボーイングの新鋭機「787ドリームライナー」が就航しています。
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≪787ドリームライナー≫ =====
中部空港を飛び立つドリームリフター |
「787ドリームライナー」の開発に当たっては、日本の企業数十社が主翼や胴体、一部のエンジンなど35%について貢献しました。機体に炭素繊維を供給する東レはボーイングと16年間の独占契約を結んでいます。
4機の中古ジャンボ機がドリームリフター(夢の運び屋)という名の貨物機に改造されて、日本からシアトルのボーイング社に大型部品を届けました。
「787ドリームライナー」を手に入れて運航を開始したのも、日本のANAとJALが一番と二番です。北米の航空会社では、今月4日にユナイテッド航空がヒューストン-シカゴの国内線に就航させました。1月からは、ロサンザルス-東京の直行便に使われる予定です。
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ボストンに着陸するJAL787
Dreamliner |
ANA 787 Dreamliner CM |
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≪ANAとJALのサービス≫ =====
中西部や南部に住む人たちは、今のところ国内線を2度乗り継がなければ「787ドリームライナー」で日本と行き来することができませんが、ANAもJALも他の北米路線の全てに大型機最新鋭のボーイング777シリーズを投入していますからご安心ください。
さらに、両社とも「787ドリームライナー」に負けない快適なサービスを提供しようと、座席の設備や食事の改善に努めたり、記念キャンペーンに力を入れたりしていますから、棚ボタ効果に期待できます。
Boeing
777 300 ER |
Boeing
777 200 ER |
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≪日米直行便と北米主要空港・e-マップ≫ =====
ちょうどよい機会なのでアメリカの「旅行とスポーツ・e-百科」の空の旅のページの記事を改訂して、最新の日米直行便と北米主要空港・e-マップを作り直しました。各空港のターミナル案内図にリンクしていますから、ご利用ください。
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≪ボーイング機の歴史と開発計画≫ =====
ボーイングはアメリカ旅客機業界の代表で、ライバルはヨーロッパ連合のエアバスです。
エアバスがデビューしたのは1974年で、最初は中型機のA300でした。70年代末に売れ始め、それに対抗したのがボーイング767…1982年に運航を開始しました。
ボーイングが次世代旅客機開発プロジェクト(左図)の中で最初に手がけたのが、767の後継機787ドリームライナーです。
エアバスが開発中の後継中型機A350は、来年あたり完成すると予想されています。
80年代にエアバスは、ボーイングのベストセラー機727に対抗する小型旅客機A320を売り出し、ボーイングは737で迎え撃ちました。
90年代初めには、大型機の市場で、エアバスのA330/340と当時健在だったマクダネル‐ダグラス社のMD11が争っていましたが、そこに割って入ったのがボーイングの777シリーズです。
巨大機の市場では、747ジャンボ機が陳腐化し、後継機開発が何度となく話題に上りましたが、石油価格の高騰でボーイングの方針は揺れ動き、なかなか先に進みませんでした。
その間、2007年にエアバスはジャンボ機を越え600人以上が登場可能なA380を売り出します。しかし、生産開始の遅れやユーロ高、さらにリーマンショック後の不況が続いてエアバスが苦戦する中、ボーイングはジャンボ機の改良機種を開発し主に貨物機として販売しています。
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