海外赴任、留学、国際結婚…北米に住む日本人の皆さんのアメリカ生活をゆたかにするメールマガジンです。四季折々のタイムリーな話題や各地のお買物や観光の情報をお届けします。検索ボタンで姉妹サイト「アメリカ生活・e-百科」のワード検索も一緒にできます。

発行者: KJBusiness Consulting, LLC  電話:(859) 223-6449 Eメール:info@jlifeus.com  HP:www.jlifeus.com

2013年4月15日(第82号)


子宮頸がんワクチンについては副作用など要注意

 日本で予防接種の種類が増え日米格差が縮小

 日本はワクチン後進国で、渡米して現地校に編入する子女は数多くの追加予防接種を受けなければならない時代が続いていましたが、この半年で日米格差がグッと縮まりました。一言でいえば、たいへん結構なことですが、一部のワクチンには死亡例も含む副作用があるようです。また、名前は同じワクチンでも、効き目(病原に対する守備範囲)が違うこともありますから、できるだけ正しい知識を身に着け詳しい接種記録を残しておくと、お子様の将来に役立ちます。

日米で定期日米共通化日本は任意日本未実施米国なし日米で任意

日本で任意接種できるのは、ほかにワイル氏病、コレラ、狂犬病、黄熱病のワクチン

 日本では、昨年の9月に、小児マヒの予防接種が経口の生ワクチンから不活化ワクチンに変わりました。生ワクチンでは、まれに深刻な副作用でマヒや筋力低下が起き、快復不能な後遺症が残るリスクがありましたから、これは大きな進歩です。ジフテリア・百日ぜき・破傷風のワクチンとともに、四種混合として接種されています。

 この4月からは、乳幼児の細菌性髄膜炎を予防するインフルエンザ菌b型(Hib)と肺炎球菌のワクチンも任意接種から定期接種に変わり、無料化されました。ただし、日本で採用された肺炎球菌ワクチンはPCV7というワクチンで、アメリカなどで採用されているPCV13に比べると、予防できるウィルスの種類が限られています。

 4月からは、中高生の女子に対する子宮頸ガンの原因ウィルスのワクチン接種も自治体により無料化または低額化されました。このウィルスは性行為を通じて感染するために、初性交の前に接種することが推奨されています。

 北米では4種のウィルスに対応する米製ワクチンが使われていますが、日本では2種対応の英製ワクチンも認可されていて、当面は自治体ごとにいずれかが使用されるものと思われます。歴史の浅いワクチンで、有効性は20年と言われていますが、存続期間についても副作用の実態についても未解明の点があります。

 アメリカでは、州によって扱いが異なり、私たちが住むケンタッキー州の例では9〜26歳の女子と11〜26歳の男子に接種が勧められています。男性にも接種が勧められるのは奇異にも感じられますが、そもそも予防接種には社会から病原を根絶しようという思想があります。

 しかし、日本でも、杉並区で任意接種時代に重大な副作用の事故が起きた例があるそうです。定期接種となっても、接種を受ける受けないは個人の自由と自己責任の範囲ですから、慎重に考えてお決めください。

 そのほか、予防接種に関する詳しい説明は、「医療と健康・e-百科」の内科・小児科・婦人科のページをごらんください。