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2014年1月15日(第91号)


もちろん省エネ…夏も冬も光熱費を節約できます!!

 暖炉とドアのすきま風撃退で暖房効果が劇的アップ

 私たちが暮らすケンタッキー州レキシントンでも、今月7日の寒波のピークには、最高気温でもマイナス13℃、最低気温はマイナス20℃に達しました。

 しかし、わが家は前日に緊急のすきま風撃退作戦を実施して、これが大成功。今まで寒い日にはフル稼働だったガス暖房のボイラー(ファーナス)が、休み休みに着火して、しかもサーモスタットの温度設定を変えずに、室温が2〜3℃も上昇する好結果を得られました。

緊急なら家電製品の梱包材(緩衝シート)

 といっても、これは、ありあわせの家電製品梱包用の気泡緩衝シート(プチプチより気泡の小さいクッション)を細く切ってすきまに埋め込んだだけの緊急対策。そこで、寒波が去ってから、もっと徹底したすきま風対策を施しました。今回、皆さんにご報告するのは、その研究成果。ぜひ参考になさってください。

 それにしても、何でこれまで放置していたのでしょう?家にいて足が冷えるのは、あながち年を取ったせいばかりではなかったのかもしれません。

 すきま風防止で光熱費が20%安くなると書いた記事を見つけましたが、わが家の請求書はもっともっと安くなるような気がして、今から期待しています。正に省エネのモデルケースで、夏の冷房費も当然安くなるはずです。


すきま風の発見


 リビングに暖炉がある家なら、暖炉のチェックが最優先課題です。次に、玄関ドアと裏庭に通じるドア、ガレージに通じるドアが重要。窓も、もちろん要チェックです。

 わが家の場合は他に異常が見つかりませんでしたが、念のためチェックしておきたい場所は、乾燥機のパイプ孔、電話やケーブルの引込み孔、屋根裏に上がる際に使う天井の穴…見逃しやすいので、お気をつけください。

 すきま風は寒い日なら手をかざしてみるだけでチェックできますが、しっかり確認するなら、右の写真のように線香の煙の流れを見てください。


暖炉の換気口アッシュピット


 風が強い日に、暖炉の中からゴーッゴーッと音が聞こえてくることはありませんか?あれは上空の煙突の先で吹いている風の音ではなく、実は換気口やアッシュピットから入るすきま風が起こしている音です。

 暖炉の天井には煙突につながる開閉式のダンパーがあります。換気口とアッシュピットは必ずあるとは限りませんが、わが家の暖炉はガスとマキの両用で、左の壁に開閉式の換気口と、底に開閉式のアッシュピット(灰だめ)口があり、下の写真のように煙突の下部で屋外と通じています。

 ダンパーは煙突を使わない時は常に閉じておくもので、ガッチリすきま風が入りにくい構造になっています。しかし、一般的にきゃしゃな造りの換気口や鋳物製のアッシュピット口は、しっかり閉じても、すきま風を遮断することはできません。これが、リビングのすきま風の主犯の正体です。

 このすきま風を防ぐには、暖炉の壁と底に気泡緩衝シートを貼り付ければいいのですが、特に底のアッシュピット口はテープで貼りにくいので、大きめのシートを何枚か重ね、その上に重しを載せて押さえました。

 あるいは、右の写真のように屋外からすきま風を遮断する方が簡単かもしれません。アッシュピットはシートを二枚重ねにして挟んで閉じるだけでピッタリ閉まりました。ただし、周囲のレンガとアッシュピットの間にすきまがあれば何か詰め物をしなければいけません。

 換気口は、太いテープをベタッと貼ってふさいでしまったら完璧ですが、暖炉を使用する時に外すのを忘れたら、一酸化炭素中毒になりかねませんから、くれぐれもご注意ください。また、貸家の場合は、ご退去の時に忘れずに暖炉を元に戻してお返しするようお願いします。


玄関ドア・裏庭ドア・ガレージに通じるドア


 アメリカの住宅は、工場生産されたパーツの集合体です。ドアのパーツもドア枠とセットでホームセンターで売られています。ドアは前後に開閉するので気づきにくいのですが、暖炉に次いで大きなすきま風のウィークポイントです。

===== 途切れたドア・クッション =====

応急措置前

応急措置

 私たちの住まいは、地元で評判の工務店の作品。築18年の今でも痛みが少なく助かっていますが、玄関ドアのパーツに関してはベストの選択でなかったのかもしれません。

 見えない部分の造りが粗雑で、右の写真のように、すきま風防止に重要なゴムのクッションがコーナーで途切れていたのです。

 今さら早速というのも妙ですが、取敢えず家電製品の緩衝シートを適当な長さに切り、クルクル細く巻いてギュッと押し込んでみました。それだけで、すきま風が、完全に遮断されるのですね。

 といっても、(目立たないところとはいえ)緩衝シートの応急措置ではみっともないとお思いの方は、すきま風防止用のテープを買ってきましょう。ウィンドーシール・テープとかドラフト・エクスクルーダ―(Draft Excluder)などと呼ばれています。

 素材にはゴム系とスポンジ系があります。きれいに仕上げるなら、現在のドア枠のクッションによく似たゴム系のテープを探して継ぎ足すか、いっそのこと全て貼りかえるかご事情に応じて検討してください。

スポンジ系とゴム系のウィンドーシール・テープの例

 さほど見かけを気になさらない方は、面倒が少ないので、スポンジ系のテープを切り貼りなさるようお勧めします。サイズですか?ピタリと合うのを何種類も買えばベストですが、薄めで細めのテープを一つ買えば、重ね貼りで、どこにでも使えます。

===== 密閉性の低いドア =====

 ドアのすきま風は、ドアとクッションが密着していない場合にも起きます。

 原因として多いのは、ドアロックのラッチ受けの位置が少しずれているケースです。ラッチ受けのネジを一度ゆるめ、心もち位置を動かしてネジを締め直すだけで、解決するかもしれません。

 それでもダメなら、薄いウィンドウシール・テープを、ドアクッションの上に重ね貼りすると解決します。

===== 敷居の高さを調整 =====

 さて、ここまではドアの上と左右でドア枠との間にできるすきまの話でしたが、ドア下の構造は違います。

 ドア下の場合は、ドア本体にドア・スウィープというゴムのクッションが付いていて、敷居とすきまをふさぐ仕組みです。しかし、ドアを完璧に水平に取り付けるのは難しく、また取り付け後のドアも長年開け閉めするうちに若干ゆがみを生じてくるものです。

 そこで、一部のドアには、左の写真のように敷居の高さを調整するネジが付いています。ドライバーを右に回すと敷居が低くなり、左に回すと敷居が高くなります。複数のネジを調整して、ドア下と平行に合わせましょう。高くしすぎると、敷居もドア・スウィープも摩擦で痛みやすくなります。

 敷居の高さの調整がないドアの場合は、いったんドアを外してドア・スウィープを貼り直すので、私たち日本人の素人にとっては大作業です。横付けのドア・スウィープもありますが、美観を損ねるので玄関ドアやリビングから庭に出るドアなどには使えません。


スライド式サッシ窓


 サッシ窓は、90年代後半から断熱効果が高くて安いプラスチック(英語ではvinyl=ビニール)製が主流になりました。ですから、新築〜築15年くらいの家にお住いの場合は、窓のすきま風に悩まされておられないのではないでしょうか?

 でも、アメリカの家は長持ちしますから、皆さんの中にも木製サッシ窓の貸家をお借りの方が多いはずです。木製サッシ窓は、枠が腐ってひび割れてしてくることもありますから、ひどくならないうちに大家さんに報告して直してもらいましょう。

 さて、サッシ窓の左右にはすきま風を抑える工夫が施されていますから、ウィークポイントは、開け閉めする窓パネル同士と上下の外枠との間です。

 こうした場所にいちいちスポンジ系のウィンドーシール・テープを貼って、すきま風は防ぐのも悪くはありませんが、その前に一つチェックしておきたい場所があります。

===== サッシロックのたわみ =====

 上下2枚の窓パネルを固定するサッシロックです。木製のサッシ窓も、新築時には窓パネルがピッタリ閉まっていたはずです。長い間にすきまができたのは、窓パネルが変形したからではなく、サッシロックの閉まりが悪くなったせいなのかもしれません。

 特に風が強い日にガタガタと鳴る窓があれば、重点的に調べてみましょう。一般的に木製サッシ窓には金属製のサッシロックが使われていますが、わが家では、受け口側が軽くたわんだサッシロックが見つかりました。

 早速、受け口をいったん外し、ハンマーで軽くたたいてたわみをなくして元の場所に戻しました。それだけで、すきま風がピタッと収まったので驚きです。ホームセンターで新品を買って交換する必要はなさそうです。サッシロックの規格は様々で、代替可能な製品を見つけるのは意外にたいへんです。規格が違うサッシロックを買ってきて新しいネジ穴を開けると、窓パネルのサンが痛みますからお勧めできません。