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2016年3月15日 (第127号)

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  アメリカ流オレオレ詐欺には着信拒否のソフトや機器で対応

 「Can You Hear Me?」は一言も話さずガシャン!!

 今年に入ってからCan You Hear Me, OK?と馴れ馴れしく聞いてくる迷惑電話が増えた…と思っていたら、下の動画でNBCニュースが伝える通り最近流行している新手の詐欺なんだそうです。電話回線の具合を確かめるような問いかけで、ついついYesと答えてしまいそうですが、そのYesを録音するのが詐欺師のねらいですから気をつけてください。

 Yesと答えた人には後日あらためて電話がかかってきて、詐欺師が何か商品を購入したりサービスを受ける契約をしたと主張し、証拠として先に録音しておいたYesという声を聞かせます。実に単純な手口で、徹底して無視し続ければ被害には合わずに済むのですが、何度も電話がかかってきたら面倒です。したがって、怪しい電話は容赦なく、一言も話さずにガシャンと切りましょう。

===== 北米で多い詐欺の手口 =====

 アメリカの詐欺電話は、日本のように高齢者に的を絞ったりせず、誰彼かまわずにかかってきます。何よりも数が多いのが特徴。知らない人からの電話は、まともに相手にしないことです。

 下の画像はBBB (Better Business Bureau)という消費者保護団体のサイトで、全米各地の詐欺や詐欺未遂の件数を手口別に集計しています。一般消費者の報告ベースですから数は氷山の一角に過ぎませんが、どのような詐欺が横行しているか知っておけば、皆さんも電話の冒頭を聞くだけで詐欺電話を判別できるでしょう。

BBB Scam Tracker

地図を拡大すると各地の被害が表示されます

 以下は電話のほかに郵便やEメールやファックスも含めた北米の詐欺の十大手口ですが、およそ4件に1件と最も数が多いのが税金詐欺です。

@ 税金詐欺: 国税庁(米:IRS/加:CRS)の名をかたり、相手に未納の税額があって振り込まないと逮捕されると脅す。発信者名も省庁や警察らしい名前にセットされているので注意。

A 債権回収詐欺: 税金詐欺と似た手口。相手に何らかの借金があり、払わなければ訴えると脅す。

B 懸賞詐欺: 懸賞で安い旅行などが当たったとだまし、費用や手続き料を振り込ませる。手紙やEメールで届くこともある。

C コンピューターウイルス詐欺: IT技術者を装い、相手のパソコンがウイルスに感染したので遠隔操作で直してあげると言って、手数料を請求する。パスワードを聞き出し、パソコンにハッキングしてお金を盗んだり、ウイルスに感染させたりすることもある。

D 補助金詐欺: 懸賞詐欺と似た手口。政府の各種補助金が下りたと言ってだまし、手続き料を振り込ませる。手紙やEメールで届くこともある。

E ローン詐欺: あらかじめインターネットで並外れて条件のいいローンを申し込んだ人に、電話やEメールで認可されたと接触し、手数料を前払いで請求する。

F クレジットカード詐欺: 銀行やクレジットカード会社の名をかたり、もっと低金利にできるとか最近の利用明細について確認するとか言って、カード番号や個人情報を聞き出す。

G 内職詐欺: インターネットで封筒詰め・宣伝物や小包の郵送の内職を申し込むと、登録時に個人情報を盗まれる。時により、盗品の取扱いに加担させられることさえある。

H 偽小切手詐欺: インターネット・オークションなどで、商品を売ったりした際に注意。買い手(詐欺師)が手違いを装いわざと多額の偽小切手を送りつけておいて、売り手に差額の小切手を送らせる

I 宝くじ詐欺: 電話のほか手紙やEメールで、海外の宝くじに当たり高額の賞金がもらえると連絡があり、手続き料を前払いで取られる。時によって、賞金の一部として偽小切手が送られてくることもある。

===== 慈善活動の寄付と詐欺の区別 =====

 10位までにはランクインしませんでしたが、寄付と言ってお金をだまし取る手口もあります。しかし、大方のアメリカ人は収入の3%を目途に教会や慈善活動に寄付をしているそうですから、一律に無下に断るのも気が引けます。

 そこで、皆さんが寄付をなさる場合は、相手が慈善団体(Charitable Organization)で、寄付と引き換えにレシートを発行してくれるか事前に確認しておきましょう。IRS(国税庁)認定の慈善団体なら、寄付した額は所得税の還付申告の際に控除される仕組みです。

 慈善団体といっても様々で、私たちによく電話してくるのは警察や消防の共済組合(Fraternal Order)です。何も知らない頃は、警察や消防が殉職者の家族などに対して寄付を集めているのかとも思っていましたが、実は一般から寄付を集め貧困家庭の子供たちにおもちゃを配る等の慈善活動をしているようです。

 逆に寄付を断りたい場合には、私は他の慈善団体に寄付をしていますから、皆さんの名簿から私の名前を削除してください…Sorry, but I have particular organizations to make donations. Please remove my name from your list.とでも、言い訳しておいてはいかがでしょう。今回は…などと曖昧に返事すると、何度でも電話が来るようになってしまいます。

===== 着信拒否アプリとコールブロッカー =====

 迷惑電話を撃退するには、商務省の連邦取引委員会が運営する迷惑電話登録(Do Not Call Registry)という制度があり、皆さんの電話番号を登録しておけば迷惑電話の数が減ります。しかし、近年はロボコールと呼ばれる自動音声の迷惑電話の数が激増して、Do Not Callも焼け石に水の状況になってきました。

 そこで対策ですが、スマホには以下のような着信拒否アプリ(Call Blocker Apps)をダウンロードして使いましょう。

iOs/Android:  Hiya, Truecaller, Mr. Number

iOS:               Sync.ME, Caller-ID, YouMail, TrapCall

Android:        Call Blocker, Should I Answer?, Extreme Call Blocker, Call Control, Call Blocker Free, AntiNuisance, Calls Blacklist

Call Blocker

 固定電話の場合は少し面倒です。これから固定電話を買う方や買い換える方は、パナソニックの電話セットなら着信拒否の電話番号を250件まで登録できるのでよろしいでしょう。ユニデンの電話セットにも着信拒否を設定できますが、上限が20~50件と件数が少ないので心配です。

 ご使用中の固定電話に着信拒否機能がない場合は、コールブロッカーという機器を買って固定電話に取り付けてください。安いものは20ドル以下からで、電話番号を1500件まで登録することができます。