　自閉症キャラに続き、ホームレスの子の新キャラ登場

　前号ではサンフランシスコに家族連れのホームレスが急増している問題をお伝えしましたが、下の動画をごらんになれば、失業しなくても低所得ではホームレスになりかねない事情がお分かりになるでしょう。

　昨年6月の時点で、サンフランシスコの中古住宅の中心売買価格は160万ドル(約1億8千万円)、広範囲のベイエリアを含めても93万5千ドル(約1億円)もしていて、廃屋や火事で焼けた家でもかまわず高価格で買い手がつきます。いまや年収11万7千ドル(約1千3百万円)の世帯が、低所得者に認定されるという危機的状況。

　2013年5月からの5年間で、サンフランシスコの住宅価格は64％と全米一の急騰を記録しましたが、シカゴでも41％、ダラス‐フォートワースでも37％と、給与の伸びを上回るペースで住宅コストが上がった他の大都市でも、ホームレス家族の数は確実に増えていることでしょう。

===== ホームレス･キャラのリリーちゃん=====

　そんな時代の流れを反映して、幼児向けTV教育番組「セサミストリート」に、新たにリリーちゃんというホームレスの子供キャラクターがデビューしました。

　「セサミストリート」は、恵まれて不自由なく暮らす"普通の子供たち"に、自分たちとは異質な子供たちを理解し、その上で隔てなく仲間として受け入れるよう教えています。2017年4月の第128号では、自閉症キャラクターのジュリアちゃんが新登場したことをお伝えしました。

　日本では1971年から2004年までNHKの教育テレビ(Eテレ)で放送されていたので、私たち高齢世代には懐かしい番組ですが、ビッグバードやクッキーモンスターなどの人気キャラが登場するマペット人形劇です。日本では、その後2007年までテレビ東京で日本語版が放送されました。

　アメリカでは1969年の放送開始以来、準公共放送のPBSで今も放送中です。PBSチャンネルは、ケーブルTVや衛星放送など媒体を問わず基本契約に含まれていますから、現地放送をご契約の方ならどなたでもごらんになれます。ホーム放送局は2016年に映画専門チャンネルのHBOに移りましたが、再放送で差し支えなければ引続きPBSで見ることができます。

===== 自閉症キャラのジュリアちゃん=====

　インターネット(YouTube)で見るなら、英語版は Sesame Street か HBO Kids、日本語版はセサミストリート日本公式です。自閉症のジュリアちゃんの動画には日本語版もできたので、オリジナルの英語版と対比してお子様の英語･日本語教育にも使えそうです。