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2009年4月15日(第34号)

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今年の大学男子バスケはノースカロライナが優勝しました

 大学男子バスケ監督物語…ケンタッキーに新コーチ

第1表 大学男子バスケットボール優勝校(1996〜)

優勝 準優勝 ファイナル4 (ベスト4)
1996 Kentucky Syracuse Mississippi St./Masachusetts
1997 Arizona Kentucky Minnesota/North Carolina
1998 Kentucky Utah North Carolina/Stanford
1999 Connecticut Duke Michigan St./Oklahoma St.
2000 Michigan St. Florida North Carolina/Wisconsin
2001 Duke Arizona Maryland/Michigan St.
2002 Maryland Indiana Kansas/Oklahoma
2003 Syracuse Kansas Marquette/Texas
2004 Connecticut Georgia Tech Duke/Oklahoma St.
2005 North Carolina Illinois Louisville/Michigan St.
2006 Florida UCLA George Mason/Louisiana St.
2007 Florida Ohio St. Georgetown/UCLA
2008 Kansas Memphis North Carolina/UCLA
2009 North Carolina Michigan St. Connecticut/Villanova

 今年の大学( NCAA Div. I )男子バスケットボールはノースカロライナ大学の優勝で幕を閉じました。ノースカロライナ大学の優勝は5回目で、通算勝利も第1位のケンタッキー大学に後4勝に迫りました。地元ローリー&ダーラム(トライアングル地区)には名門私立デューク大学もあり、両校合わせると過去14年間に優勝が3回、ファイナル4には9回も駒を進めたことになります。

 一方、私たちの地元ケンタッキー州レキシントンもローリー&ダーラムに負けず「バスケ気違い」だらけの街。思い起こせば、ケンタッキー大学は、私が赴任してきた翌年から、優勝-準優勝-優勝と、第二期黄金時代を迎えたかに見えたのですが、それからさっぱり。しかし、市民を裏切り続けたケンタッキー大学は、ついにメンフィス大学から実力コーチを引き抜いて、ノースカロライナ大学に挑戦状を叩きつけたのです。来年のトーナメントは、一段と盛り上がるに違いません。

 大学男子バスケットボールの世界はコーチ次第。実力コーチの元には強い選手が集まってきます。今回は大学男子バスケットボールのコーチについて勉強してみました。

第2表 大学男子バスケットボール各校通算成績
  大学 通算勝敗 勝率 全米優勝
1 Kentucky 1988-635 75.8%  7回1948-49/1951/1958/1978/1996/1998
2 North Carolina 1984-703 73.8%  5回1957/1982/1993/2005/2009
3 Kansas 1970-793 71.3%  3回1952/1988/2008
4 Duke 1876-815 69.7%  3回1991-92/2001
5 Syracuse 1753-806 68.5%  1回2003
6 Temple 1711-960 64.1%  
7 St. John's 1686-868 66.0%  
8 UCLA 1672-726 69.7% 11回…1964-65/1967-73/1975/1995
9 Pennsulvania 1657-949 63.6%  
10 Notre Dame 1651-908 64.5%  
11 Indiana 1641-909 64.4%  5回…1940/1953/1976/1981/1987
第3表 第2表で朱記表示した各大学の黄金時代を築いたコーチです。
大学 コーチ コーチ暦 通算勝敗(勝数) 通算勝率 全米優勝
Kentucky Adolph Rupp 1930-1972 876-190(3位) 82.2% 4回
North Carolina Dean Smith 1961-1997 879-254(2位) 77.6% 2回
Duke Mike Krzyzewski 1975-現役 833-274(4位 75.3% 3回
UCLA John Wooden 1946-1975 671-161(21位) 80.7% 10回
Indiana Bob Knight 1965-2008 902-371(1位) 70.8% 3回

ローリー&ダーラム=ノースカロライナ大学とデューク大学

デューク大学

コーチ K

(マイクシャゼフスキー)

ノースカロライナ大学

ディーンスミス

ロイウィリアムズ

 州都ローリー(Raleigh)とデューク大学があるダーラム(Durham)はノースカロライナ州の中央部にあります。ノースカロライナ大学のチャペルヒル(Chapel Hill)と合わせてこのあたりはトライアングル(The Triangle)と呼ばれる南部大西洋岸で先進産業を牽引する豊かな地域です。

 そのトライアングル地区住民を熱狂させてきたのが、ノースカロライナ大学とデューク大学の宿命の男子バスケ対決…それを支えてきたのが歴代の名コーチです。

 デューク大学のマイク・シャゼフスキーは名前の読み方も難しいので「コーチ K」の愛称で親しまれています。通算勝利は、今のところ歴代4位ですが、まだ62歳で引退する年ではありませんから、3年もすればトップになることは間違いありません。2008年の北京五輪ではオリンピック・チームのコーチを務めました。

 ノースカロライナ大学男子バスケの礎を築いたのは、「伝説のコーチ(Coaching Legend)」ディーン・スミス…今では当たり前に使われている数々の戦法や技術を最初に工夫して編み出した人物です。

 そのノースカロライナ大学の栄光を引き継いだのは、ディーンの愛弟子ロイ・ウィリアムズ(58歳)です。カンザス大学のコーチを経て、2003年に現職に就任しました。現役コーチの中で、唯一8割を越す通算勝率を誇っています。

第4表 現役コーチ

 順位はスポーツ関連HPがそれぞれに評価したコーチの実力順です。

(SN: Sports News, CS: College Sports, SF: Sparty & Friends)

コーチ 大学

順位

通算

勝敗

通算

勝率

大学男子バスケ戦歴

SN

CS

SF

Tom Izzo Michigan State

@

G

A 

336-137 71.1% 優勝1回/ファイナル45回
Mike Krzyzewski Duke

A

@

E

833-274 75.3% 優勝1回/ファイナル43回
Roy Willams North Carolina

B

A

@

594-138 81.1% 優勝2回/ファイナル45回
Rick Pitino Louisville

C

C

D

553-191 74.3% 優勝1回/ファイナル42回
Jim Calhoun Connecticut

D

E

C

805-341 70.6% 優勝2回/ファイナル43回
John Calipari Kentucky

E

F

-

446-139 76.2% ファイナル42回
Bill Self Kansas

F

-

F

376-144 72.4% 優勝1回
Ben Hawland UCLA

G

H

I

309-147 67.8% ファイナル4連続3回
Jim Boeheim Syracuse

H

-

H

799-288 73.5% 優勝1回/ファイナル42回
Billy Donovan Florida

I

B

B

317-132 70.4% 優勝連続2回
Gary Willims Maryland

-

-

G

625-357 63.6% 優勝1回/ファイナル41回
Lute Olsen Arizona('08引退)

-

I

-

781-280 73.6% 優勝1回/ファイナル44回
Bob Knight Indiana('08引退)

-

D

-

902-371 70.8% 優勝2回/ファイナル42回

レキシントン=ケンタッキー大学とルイビル大学

リックピティーノ

現ルイビル大学コーチ

ジョンカルパーリ

前メンフィス大学コーチ

 ケンタッキー大学の黄金時代を担ったのは、名将アドルフ・ラップです。第二期黄金時代を築いてくれると期待したリック・ピティーノ(56歳)がNBAに引き抜かれ、レキシントン市民ががっかりしたのは1997年のことでした。

 その後、後任のタビー・スミスがピティーノに鍛えられた選手を率いて優勝した1998年に一時楽観ムードも漂いましたが、タビーは選手と市民の支持を得られずに2007年に辞任。次のビル・ギリスピーは話にならない惨憺たる成績で2年で契約打ち切り…このところは、ケンタッキー大学の正に「失われた10年」だったのです。

第5表 ケンタッキー大学歴代コーチ
在任期間 コーチ 勝敗 勝率
1931-72(41) Adolph Rupp 876-190 82.2%
1973-85(13) Joe B. Hall 297-100 74.8%
1986-89  (4) Eddie Sutton 88–39 69.3%
1990-97  (8) Rick Pitino 219-50 81.4%
1998-07  (9) Tubby Smith 263–83 76.0%
2007-09  (2) Billy Gillispie 40-27 59.7%
2009- John Calipari 0-0

-

 そこで起死回生とメンフィス大学からヘッドハントしたのがカル(=ジョン・カリパーリ50歳)。現役コーチではノースカロライナ大学のロイに次いで通算勝率第2位の実力者です。

 実は、ピティーノとカルは1996年の準決勝で対決した宿敵の仲。当時のカルはマサチューセッツ大学コーチで、シーズン後にニューヨーク・ジェッツのコーチに転進したのですが、よい成績を残せずに3年でNBAを去り大学バスケに復帰します。ケンタッキー大学を優勝させたピティーノは、翌年準優勝の後、NBAボストン・セルティックスのコーチに就任しましたが、こちらも成績不振により4年で解雇…いまさらケンタッキー大学には帰れずレキシントンのお隣ルイビルのルイビル大学コーチの職を得たのでした。

 心の底では、いつかピティーノに戻ってきてほしいと願っていたレキシントン市民は、よく似た経歴のカルがやって来るという朗報に久々に盛り上がっています。

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